WEBからの風~不動産繁忙期の変化~
インターネットが登場して、ちょうど10年たった去年が明けて一週間がたちました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
当社は昨日から業務を始めていますので、もうすっかり普通モードです。
年々お正月気分が薄れていく気がしますが、これは世の中の変化なのでしょうか?それとも私の変化なのでしょうか?そんなことを考えながらブログを書き始めました。
ところで今年のお正月は、ひょんなことから10年前と今年を比べて見る機会がありました。ちょっと冷静に考えてみると、あっちでもこっちでもそれはそれは大きな変化が起きています。(皆さんも身近なところで結構ですから、ちょっと冷静に考えてみてください)
それまでの10年単位の世の変化とは、まったく違うペースで変化が起こっていることがわかると思います。いまやパソコンなしの仕事や、インターネットなしの情報収集なんて考えられません。やっぱりIT革命は起こっているのです。
そんな題材を「WEBからの風」と称して、時々皆さんに紹介したいと思います。今日はその第一回目です。
今日のテーマは「不動産繁忙期の変化」です。
不動産繁忙期は一般的に1月~3月と呼ばれています。特に賃貸業界では、その間一日も休まず営業しているお店もたくさんあります。(売買は、もうちょっと長い)
不動産業界に本格的にネットビジネスが普及し始めた2001年から、その繁忙期は徐々に前倒しになってきています。当初は3月の半ばまで、と半月前倒しになりました。そのうち最高に忙しい月が2月にずれだします、さらに1月の初旬から問い合わせが入るようになりました。
その影響でしょうか、今年は例年にも増して1月5日頃から営業を始める会社が増えたように感じます。
そして12月にもたくさんの問い合わせがくるようになったのが昨年から今年にかけて起こった現象です。もう「師走の客には気をつけろ」なんて言っていたら、大きなビジネスチャンスを逃してしまうことでしょう。いまや12月30日まで案内予約を取る時代になったのです。(たとえ外観だけでも)
さてこの現象はなぜ起こっているのでしょうか?
ひとつにインターネットの特性を活かしたい消費者の気持ちがあります。インターネットとは、探して、調べて、比べるツールです。せっかく探して、調べて、比べても、繁忙期終盤になってしまったらもう選ぶことが出来ません。「これしかありませんよ」と不動産屋さんに言われても。本当なんだから「そうですか」と答えるしかなくなってしまうわけです。それでは何のために、インターネットで物件を探したのかわからなくなってしまいます。
(私は昔、イトーヨーカドーで背広を買っていました。最初の年は年末バーゲンセールに行って買ったものです。しかし買ったあとにテレビを見ていると、新春バーゲンセールをやっているじゃないですか。それももっと安く。来年は絶対年末じゃなくて、新春に行こうと決めた私は、翌年は新春バーゲンセールに行きました。するとなんということでしょう。1月の終わりになって今度は最終バーゲンセールをやるとテレビCMが・・・・それもさらにさらに安く。もちろん私は翌年、年末、新春を飛ばして最終バーゲンセールに行きました。しかし・・・・・まったく良いものがないのです。その翌年からはまた年末バーゲンセールに行くようになりました。)
そしてもうひとつ、インターネットの特性を敏感に感じた消費者の行動とは別に、インターネットが間接的に影響している社会現象があります。それは「四半期決算の開示」です。(3ヶ月ごとの業績を消費者に開示すること)
上場企業は決算情報を全国紙に広告することが商法で義務づけられていますが、ここ数年は中間期、決算期だけでなく、4半期決算を発表する会社が激増しています。新興市場であるマザースやジャスダックは、そもそも四半期決算の開示が上場の条件ですが、その他の一部上場企業の間でも、どんどん広がっているのです。これは東京証券取引所などが、一般株主に対して出来るだけ情報を提示するように指導しているからですが、その裏では企業HPによって、全国紙に比べて圧倒的に安い費用で開示することを可能にした、インターネットの力がなくてはなりませんでした。
さてここからが重要です。
四半期決算を行い、その情報を開示し始めた企業にはある変化が起きます。それが人事異動のタイミングの変化です。実は企業人事は決算のタイミングで行われることが多く、12月決算をもって行われる3月の人事異動や、3月決算をもって行われる6月の人事異動というのが、今までの定番でした。
ところが四半期決算を行うようになった企業は、四半期ごとに人事異動を行う体制を整えてしまったのです。その為年間一回だった人事異動の季節が2回になり、2回だったところはまるで時期を問わず(笑)人事異動が行われるようになりました。
この現象が、繁忙期の平準化をさらに進めているのです。
いまや繁忙期を支えているのは、学生、子供を持つ親、そして賃貸での退去による空室と新築物件のみとなっています。
そう考えるとこれからの不動産仲介は、繁忙期以外での契約をいかに取れるかにかかってくるのではないでしょうか。つまりいつも努力をしていなければならないということです。そういう仕組みや習慣を作る上げることが大切なんですね。
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Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.1.6.