偉そうに言うのはちょっと気がひけますが、どうしても気になるので書きます。
福島の第一原発は大変な状況になっているようです。昔、柳田邦男さんの「恐怖の2時間18分」(文春文庫)を読みましたが(アメリカのスリーマイル島の原発事故を克明にたどった本です)、その時にほんの小さな失敗が、人的ミスが重なることによって大きな危機を起こしてしまう恐怖を感じました。
今回のマスコミ報道の中でも、東電の初期対応が悪かった(すぐに海水を入れればよかったじゃないか。もしかしたら完全に廃炉にしたくなかったから判断が遅くなったんじゃない?)みたいなことが言われています。現在の状況を考えたらそれも一理あるかもしれません。
また官邸からの報告と、原子力保安院、東電の報告にずれがあって、指揮系統がまとまっていない。それが正しい対応できない理由とも報道されています。
昨日は東電の報告にあった放射能レベルがひとけた違っていたようです。何たることかと、鬼の首でもとったような騒ぎです。官邸でもこのようなミスは重大なことだと記者にコメントしたそうです。
さらにいろんな番組でいろんな有識者がコメントをしていますが、ネガティブだったり、ポジティブだったりどれを信じたらいいのかと、情報番組のコメンテーターたちが話をしています。だけどおかしくありませんか。
そもそも情報番組のコメンテーターなんて、芸能界で芸能ごとをやっている素人でしょう。まるで週刊誌のごとく素人が好きなように話をしても、それが間違ったとしても責任をとるわけではないのですよね。
いろんな有識者がネガティブやポジティブなことを言うから、国民は混乱するって言うけれど、いろんな有識者を片っぱしから連れてきて、ほんの少ない時間でコメントさせてるのはマスコミ自身じゃないですか。
さらにさらに言えば、報道番組の中で先週の内容にミスがありました、謹んでおわび申し上げます。なんて毎回やってるじゃない。あなた方に東電を批判できる資格なんてあるんでしょうか。
日本はいつの間にか、悪くいわれないように、失敗しないように。いつからそんなことばかり考えるようになったのでしょう。震災はもう起きてしまったんです。これから復興するには作り上げなきゃなりません。持ってるものがなくなったんだから、失敗しないようになんて思っても意味がないと思います。
先日東電の協力会社の3名が危険な地下で作業中に被曝されました。今度もマスコミは東電がちゃんと危険回避をしていたのか、誰が悪いのかという報道ばかりです。ですがこの事故をこれ以上ひどくしない為にはだれかが危険と隣り合わせの作業をしなければならないのは事実です。もし危険があるからと、作業員を全員撤退させたら、今度は無責任と喧しく騒ぐのでしょう。
私は今回被曝された作業員を「英雄」と報道するべきだと思います。そして今現場で作業している方々もみんな「英雄」です。いつか来る事故後に、福島や宮城や茨城の農家が、漁師が仕事ができるように、避難している人たちが地元に帰れるように、命をかけて作業している英雄です。マスコミはそんな報道をするべきだと思います。
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Posted by 金丸 : Comment(7) | 2011.3.28.
7 thoughts on “震災報道にひと言”