社長ブログ

EUが心配です。

するってぇと

どうもヨーロッパはいけない状況みたいです。
ギリシャで政権交代があって、実は国家単位で粉飾決算をしていました。と白状したのが確か09年。本来国家単位で粉飾決算したって、誰にも文句は言われないはずなのですが(世界の信任が下がり市場に制裁はされますが)、EUに加盟している限り、GDPの何パーセント以下に財政赤字を抑えなければならないという条件があり、ギリシャは粉飾を発表したのです。
その後、いつものようにIMFが登場し、いつものように緊縮財政を政府が進めていたのですが、公務員が80%ともいわれるギリシャでは、すんなり進みませんでした。数年前に韓国がIMF管理下におかれた時には、そりゃ大変なデモ、ストがありましたが、それは民間企業の中で行われていたのが中心で、そもそも民間の場合いつまでもストを続けていれば、会社はつぶれすべてがパァ。ってことがわかっていますので、いつかは終息します。ところが公務員さんは、国家がつぶれるなんてありえない。とか、そんな事態は起こるはずもない。って考えるから、いつまでたってもギリシャの財政改革は進まないのでしょう。
そんなこんなで1年、2年とたつ間に、だんだんとギリシャの本当の財政事情がリークされてきました。簡単にいえば、こりゃ絶対返せないってことがわかってきたんです。わかりやすく言えば、年収300万の家庭で、借金1500万、月の返済が10万円あるんですが、生活費が40万円かかっていて、毎月30万円の赤字。それを国債を出すことによって補てんしている。生活費を半分にしてもまだやっと新たな借金が増えない(金利分は増えますが)だけ。その上全然お金を生み出さない公務員だらけだから、経済的成長は望み薄。日本も同じといわれていますが、日本は世界最大の債権国。日本国自体の借金は多くても、資産は世界中に持っていることに比べると雲泥の差なのです。
ギリシャがユーロに加盟しているままデフォルトすると、EU全体が大変なことになるので、ギリシャは「助けてください(お金をください)」とEUに頼みました。仕方がないので少し出したのですが、出したら出したで「実はまだ苦しい。」と新たな情報が出て、さらに「お金をください。」仕方ないのでまた出すと、「まだ足りないかも知れない。」
これにドイツの国民が怒りました。ギリシャ支援にあたっては、各国の経済力に合わせて分担が決まっていくので、ドイツは半分の負担をしていたからです。「アリとキリギリスじゃないか!」。そのドイツの不満の声を聞いたギリシャは「だけど、うちのせいでユーロ安になっていて、その最大のメリットを享受しているのはドイツじゃないか(輸出に有利)」と泥仕合になりかねない状況です。
この状況はリーマンショックの半年前の3月に、アメリカのいくつかの保証会社や銀行が危ないと言われて、政府の公的融資でやっとこさっとこ期末を乗り越えた状況にそっくりだと思うのです。
結局デフォルトしないとすまないことは、誰にでもわかっているのです。ただ、もしギリシャがデフォルトすると、そのほかにも危ないと言われ始めた、スペイン(昨日格下げ)ポルトガル、イタリア、等に連鎖しEU解体、大恐慌の到来。まるで第一次大戦前夜と同じになります。もう二度と戦争を起こしたくないと始まったEUそしてユーロがかえって、その原因になりかねないのは皮肉なことです。
ということで、なんとかその連鎖を防ぐ仕組みを作るまで時間稼ぎをしているのが今のEUだと思います。さあ、それが効を奏すかどうか、世界がEUを見守っています。
ps:それにしても日本の政治家って、ギリシャの市役所の課長さんみたいですね。


2 thoughts on “EUが心配です。

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  • ぶーちゃん より:

    今晩はお疲れさまでした。
    一度、ギリシャをEUから離脱させれば、
    為替で調整できると思うのですが、
    難しいのでしょうか?

  • 金丸 より:

    アルゼンチンがそれをやって今成功しています。ただし、大変な苦労を乗り越えて今があります。それでもやるかってことですが、それこそ政治の器量ですね。

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    Posted by 金丸 : Comment(2) | 2011.10.14.