どうも怪しい雰囲気が漂ってきました。
ヨーロッパ危機やアメリカの景気減速は散々語られ、徐々にボディーブローのように効いてきているのかもしれませんが、日本は世界の中で唯一GDPの伸び率が高くなるとIMFでは予想されています。これは震災の復興需要を当て込んだ予想だと思うのですが、どうもそう簡単にいかないような気がしてきました。
まず世界中で素材の価格がどんどん落ちています。GDPだとか経済成長率だとかは、いろんな調査の数字を合わせて出されているのですが、その実正しく経済の実態を表しているかといえば疑問もあります。
例えば物価上昇率に使われる商品にしたって、時々入れ替えているわけですから、その銘柄の選択によってある程度調整できるわけです。これは日経平均株価なんかも同じです。
そんな中では、電気の使用料だとか、重油の使用料だとかは、はっきりと工場の稼働率と同期しますので、かなり信用できる数字だと思うのです。そして今いろんな製品の素材の値段が下がっています。
これは最終製品の生産が落ちていることを具現化し、リーマンショック以来世界経済を引っ張ってきた中国の景気減速が、はっきりしてきたことを表しています。
そして日本の設備投資の急減。円高や高い電気料金、税金、流動性のない雇用市場、規制、そして政治。
もう製造業は出て行ってくれと言われてるみたいな国に、とうとういられなくなった工場が今堰を切ったように閉鎖されています。
旭化成、TDK、パナソニック、エルピーダ、ルネサスエレクトロニクス等など。
工場がなくなったらそもそも設備投資をする前提がないわけですから、急減するのは当たり前です。
失業が増えて、生活防衛の意識が高まると小売の業績が下がってきます。
ヨーロッパではカルフールやメトロが赤字になりました。
日本でも百貨店だけでなくスーパーの売上が急落しています。
ここに南欧の危機が破裂したり、アメリカの財政の崖(減税に停止や予算の削減)、
もしくは突発的な事象(中国の内乱とか)が起きたらひとたまりもありません。
やっぱり数年に一度大きな危機が来る時代になったんですね。
昔、職人のオヤジ達が作業着で焼き鳥をつまみながら、「戦争おきないかなぁ」とつぶやいていたのを思い出します。
その時はなんて不謹慎なことをいうのかと思いましたが、そうでもしないと(壊さないと)経済はいつか回らなくなることを一部予言していたんですね。
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Posted by 金丸 : Comment(0) | 2012.9.7.