社長ブログ

先週福岡でタクシーに乗った時です。
私はタクシーに乗るとそのたびに運転手さんに話しかけます。「近頃景気はいかがですか?」
先週はこうでした。
「運転手さん近頃景気はどうですか?」「どうしようも有りません。お客さんはどこから来たのですか?」
「さっきまで水戸にいました。3時半に水戸を出てきて今福岡です(7時30分)日本も近くなりましたね。」
「水戸ですか。懐かしい。水戸にはいつも行っていたんですよ。」「えっタクシーでですか?」
「いや。タクシーの運転手なんて本当はやりたくなかったんでさ。前は運送屋をやっていたんです。」「そりゃ大変だったでしょう。」
「いや。大型だったし。お客さん大型のトラックって結構優雅なもんなんです。運転席の後ろにはベットもあるし。ところが景気が悪くなってから大手が参入してきてね。我々の零細運送会社の仕事を安値でとってちゃうんですよ。そのうち長距離がなくなって九州の仕事しかなくなって。これがまた急がしいんだ。その中でも最悪なのがこたつ」
「こたつ?」
「そうこたつ。こたつってのは重くて、意外にいろいろな種類があって、いちいち毛布で仕切らないときづが付いちゃうでしょう。そりゃもう大変で。」「なるほどね。じゃ何が一番いいの?」
「人形。人形ってしっかり梱包されている上、軽いんだよね。それに比べてこたつは。。。」
「こたつには相当うらみが有りますね(笑)ところでその後どうなったんですか?」
「こたつばかり運ぶようになったら、運送やは終わりです。そのうち会社が成り立たなくなって、結局廃業。私はタクシーの運転手ですよ。」「そうなんですか。そういえばタクシーも厳しいらいそうですよね。」
「そりゃ。こたつを運んでいたときと変わりませんよ。今や一日の売上が2万いけばいいほうですから」
「2万?昔は4、5万だったと聞いていますが?」「確かに昔はそんな時代も有りました。でも今じゃそんなのは夢物語ですよ。大型に乗っていたときに、大型ですから隣の車の中が見えるじゃないですか。タクシーなんかのメーターも見えるわけです。そうすると2万、3万なんて当たり前でしたよね、首都高では。」
「はー厳しいんですね。」「いや本当に厳しいのはこたつの配送です」その後10分ほどこたつの配達の厳しさを講義していただきました。大変なんです、仕事ってのは。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2009.11.15.

拙著「広告禁止!ネット不動産進化論」がアマゾンで在庫切れのため購入できない状態が続いていましたが、本日やっとその状況が解消されたようでほっとしています。ご迷惑をおかけした皆様。大変申し訳有りませんでした。
この本ではインターネット黎明期を乗り越え、ネットがそもそも当たり前の時代に向けて、不動産会社がいかに対応するべきかを書いたつもりです。
私がネットに本格的に触れたのは1996年。リクルートのリクナビに社員募集広告を出すためでした。(所沢で一番最初でした)当時3ヶ月で120万円かかったネット広告は、2名の問い合わせしかなく、またもやお金をどぶに捨てることになり悔しかったのを良く覚えています。
そのリクナビが、その後のリクルートのビジネスユニットの中でど真ん中の事業となり、しばらくその時代が続いていきました。そんな中リクルートの創業以来のドル箱であった住宅情報が衰退し、フォレントに代表されるネット広告事業が伸張。さらに全ての雑誌を無料化していく方針の中で、R25などの先進的な雑誌が創刊されました。この雑誌は他の雑誌を作っている出版社にとってはまさに「反則」。しかしリクルートは手を休めません。今度は折込チラシ業界に殴りこみをかけてポスティング事業も無料で行うべく、実験を始めています。そしてそして、そんな争いを横目で見ながら今やリクルートエージェント(人材紹介事業)が最も収益を上げている事業だというのが、今のリクルート社です。
これは単純に紙がネットになり、そしてまたリアルなものが価値を取り戻すという流れだと考える人多いと思いますが、ことはそう簡単なことではないように思います。
やはり全て根底にはネットがあると思うのです。一番最初のリクナビの発展やフォレントへの移行は、確かにインターネットの普及に合わせて、新しい広告媒体として登場してきたのだと思いますが、その後のR25やポスティング事業やエージェントの発展は、ネットに触れた消費者の「価値観の変化」に対応して登場したサービスだと私は考えています。
ネットで情報をただで獲得できるようになった消費者は、情報に対して、お金を出すだけの価値があるかどうかを選別するようになりました。それが週刊誌や月刊誌、はては新聞などの停滞を起こします。これだけネットが進むと情報にお金を払う消費者はとても少なくなってしまったのです。
新聞などの停滞がために起きた無読層(新聞を取らない世代)が増えた隙間を狙って発展してきたポスティング事業ですが、それさえ例外では有りません。これだけHPが増えてくると、近所の出前だってネットで探したほうが情報が多いのです。一般のポスティングチラシや地域情報誌は個別の記事は大したことはありませんし、情報慣れした消費者にとってはごみみたいな記事なのです。
ここにリクルートは目をつけたのだと思います。リクルートって営業力でここまで発展した会社だと思っている人が多いのですが、実はその強さの源泉は「編集力」にあるのです。
大した編集力もないポスティング事業者が選別されていくのは、ネットに情報を求める消費者の嗜好のせいではあるが、冊子としての編集力があれば、HPと対抗できると踏んで進出したんだと私は考えます。たぶんリクルートの編集力をもってすれば、市場を席巻してしまうのではないのでしょうか?
そしてリクルートエージェントの隆盛。
実はネットの発展によって、中途採用をしようとすると昔に比べてそれはもうたくさんの人達にアプローチできる世の中になっています。昔みたいにいかに求職者に見つけてもらえるか(つまり募集広告を出した時、問い合わせの数をいかに確保するか)が一番重要だった時代は終わったのです。そんな時代に最も重要視されるのが「面接」です。
エージェントはここに目をつけ、徹底的に事前面接をすることによって顧客企業の支持を受けています。
こんな風にリクルート社のビジネスモデルの変遷においても、全てのネットの影響を感じて構築されているように思いますし、それは「消費者の価値観」の変化の時代に突入していると言うことを証明していると思うのです。
となると不動産業界でも、HPを作ればいい時代は終わり、SEOをかけて見つけてもらう時代も終わり、現況優先の商品特性がために、単純に写真や間取りの掲載に頼る時代も終焉を向かえ、消費者の新しい価値観にまっすぐ向かっていく必要があると思うのです。
その価値観の変化とは「本当のことを言ってくれる」不動産会社だと思いますし、それだけの知識を持った不動産営業社員たちだと考えるのです。
拙著では10のステップを公開して、いかに業務を行うかを提示させていただいていますが、この本の通りの業務を行うことによって、優秀な営業社員が育ち、本当のことをきちんと伝える不動産会社が増えることを本来の目的としています。
えらそうなことばかり書いて申し訳ありませんが、そんなことを少し頭の隅に入れながらよんでもらえるとうれしいです。


Posted by 金丸 : Comment(7) | 2009.9.26.

民主党が政権をとり、いくつかの政策が発表されてきましたが、その中には民間では当たり前のことでありながら、新鮮に感じることがいくつかあり、それが高い支持率につながっているように見えます。
たとえば単年度予算を3年程度の中期的予算の中で考えるなどは、民間ではごく当たり前のことですが、憲法で単年度予算を基本とするとされていることもあって、今までは検討もされていなかったことのようです。
単年度は予算全体の管理には適していますが、よく言われる「使い切らないと評価されない」などの弊害を生み出す元凶だとずいぶん前から言われていたのですが、まったく手付かずに行われていた慣習です。
やっぱり政権交代は必要なんだな。と思います。
もちろん民主党の政策にはやばそうなものがいくつもあり(両手禁止など)、亀井金融相などは何をするのかわからない期待(笑)を抱かせますが、それでも10%を超える高度成長時代、自民党が単独過半数を維持し、5%程度の成長率になってからは社会党の自滅によって何とか維持した政権が、1%程度の低成長時代には連立しなければ政権維持さえ難しくなっていたことが、改めて今回の政権交代を時代の要望だと感じるのです。
自民党には是非頑張ってもらって、戦後の復興時代の役割から保守党として再出発をお願いしたいものです。共和党と名前を変えることも合わせて提案したいです。
それにしても亀井さんの発言を見ていると、しばらく好き勝手にやらせておいて、参院選前に罷免。やっぱり民主党はやるなと思わせて勝つという小澤戦略が見えてしまうのは、私だけでしょうか?


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2009.9.22.

 

ドコモが新しい携帯の新シリーズを発表しました。

 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/081105_00.html

 

CMを見ていてなんだこれって思った人もおおいとおもいますが、今回は型番の変更によるわかりやすさ(型番が統一され世代がわかりやすくなった)、と供に、おしゃれ感重視の「STYLE」、エンターテインメント性重視の「PRIME」、上質感のある「SMART」、最技術搭載の「PRO」の4つのシリーズが発表になりました。

 

型番変更によって世代を、シリーズ化によってある程度の自分の好みをイメージさせることによって、「私はおしゃれなSTYLEで最新機種!」だったり、「一世代前でもいいかっ。」みたいな選択が出来るようになったということです。

 

合わせてあの「なんだこれ」のCMです。何べんも見ないと理解できない物語調のCMですが、数年前からチラシなどのマーケティングの世界で言われている手法を採用しています。(なんていわれているかは忘れました)

 

ネット以前のチラシは、目立つことに主眼が置かれていました。「元々購買する気があるお客さん」に「おっ」って気がつかせて、反応して行動を起こさせることを目的としていたからです。その為他のお店や商店より先に気がつかせる必要があり目立つ必要があったのです。

 

ところがネット時代のお客さんは「おっ」て思ってから、ネットで検索してしまいますから、実はチラシをまいた会社が一番損。刺激を受けたお客さんは必ずライバルのお店や、商品を探し出し冷静に比べてしまうので、広告を出した会社より、その分の費用を顧客サービスに振り向けたほうが勝てる可能性が高まってしまったのです。

 

でもチラシを企画する広告会社は「そういう時代ですか」とそのまま納得するわけには行きません。(つぶれちゃいますから)

そこで一部はホームページなどのネットに流れたのですが、ネット時代でも広告という価値をそのままに生かそうと努力した面々もいたのです。その方々が考え出した方法の中にステップアップ広告とかブランド構築型広告などが有ります。

 

これは何回も広告を見ることによって、徐々にお店や商品のブランドイメージを作り、最後に消費者が「買うならあそこ」とか「いつか買うならあれ」みたいなイメージを持つことを目的としています。

 

つまり「元々購買する気があるお客さん」や「すぐに買いたいお客さん」をターゲットにしているのではなく、「興味があるお客さん」「もしかしたら買うかも知れないお客さん」を、何べんも刺激し、検討し選んでもらうことによって「購買行動を起こさせる」事を目的としているのです。

 

ネット時代とは、単にネットを見るとか、メールを出すとかだけでなく、こんな風にアナログな世界の価値観や行動基準も変化させているのです。

 

予断ですがこれらの手法がさらに発展して、広告の中でマーケティングが出来るようにもなったと、ある優秀なクリエイターさん教えてもらったことがあります。

 

その典型的な例が資生堂の「椿」のCMだそうです。

 

最初の頃の椿のCMは豪華で美しい女優陣が大勢登場し、その高級感をブランドイメージとして定着させることを目的としていたそうですが、今では従来のイメージの女優陣に新しい顧客層に対応する女優を一人入れ、その層がいかに反応するかによってキャンペーンの手法や商品開発に役立てているそうです。

 

昨年「鈴木京香」さんがCMに登場いたしましたが、(あれっ)て思った方いませんか?たぶん資生堂では京香さんの出ているCMを打つたびに「少々高い年齢層」が椿をどれくらい買うかを調査して(京香さんごめんなさい)、もし反応するようだったら「少々高い年齢層」に向けた椿の商品を開発するのが目的で京香さんを起用したんだと思います。

 

ずいぶん脱線してしまいましたが、ドコモに戻します。

 

今回ドコモは「なんだこれ意味わからない」CMを流し、消費者の興味を引き、見続けることによって4つのシリーズの意味を知り。意味をしった消費者は自分はどのスタイルかなと考え、その場合どの機種なのかなと具体的に考え、ネットなどで調べ、その際型式などが整理されているのでわかりやすいHPに好感度を持ち、実際に購買行動を起こす。事を狙っていると思います。

 

ちなみに最後のところで、わかりやすいHPに好感度を持つというのは、ネットマーケティングの会社が各種調査結果として発表しています。(実は情報量が多すぎるのは評価されていません)

 

ドコモの戦略がどんな効果を表すかはまだ未知数ですが、皆さんも消費行動の変化をこんなところで確かめるのもいいかもしれません。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2008.11.30.

YAHOOから今年の検索ワードランキングが発表されました。

https://searchranking.yahoo.co.jp/ranking2008/

 

これを見ると、今年のNO1はユーチューブ、2位がミクシィ、3位が2チャンネル、4位がグーグル、5位が楽天、そして6位がアマゾンとなっています。

 

皆さんいろいろな感想があると思いますが、私はこのデータを見て長年抱いていた疑問が一つ解決いたしました。

 

私の長年抱いていた疑問とは「なぜ日本ではgoogleはYAHOOを超えられないのか?」というものです。

 

99年に初めてホームページを作り始めた頃こそ、検索エンジンといえばYAHOOが当たり前でしたが、検索連動広告を生み出したgoogleの躍進はすさまじく、今では世界で一番成功したIT企業と呼ばれています。

実際アメリカでは検索エンジンシェアで60%程度を握り、YAHOOは20%以下に沈んでいます。

 

しかし日本ではgoogleのシェアが上がっているとはいえ、いまだYAHOOのトップは変わらずにいました。何でなのかな?と。。。。

 

でもやっぱりgoogleになってきていたんですね。何しろgoogleに行くためにYAHOOを使う人がこんなにいるんですから(4位)

 

私がYAHOOなら苦笑いしそうなデータですね。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2008.11.29.