今年の夏はことのほか雷が多いように思います。温暖化のせいなんでしょうが、雷といえば瞬停がすぐ気になります。知らない人もいると思いますので、ちょっと説明します。
日本では一般に使われている電気の電圧は100ボルトですが、雷などがあるとその百ボルトがほんの一瞬、0.1秒とか人間にはわからない範囲で電圧が下がったり、上がったりするんです。それが原因で電子機器がフリーズしてしまったり、暴走してしまったりするのが瞬停です。
当社でも10年くらい前に、社内のネットワークが毎週のように止まったり、暴走したりして散々ネットワークサポートの会社に修理を依頼していましたが、その原因も実は瞬停でした。
当社の場合は、社内にだんだんとパソコンが増え、電源容量が限界に近づいていたのですが、停電にならないから大丈夫だとたかをくくっていたときに、たまたま同時にパソコンを立ち上げたりして、一時的に電圧が下がり瞬停を起こしていたのでした。
皆さんも入居しているビルなどで、どこか近くに会社がたくさんの電気を使っていたりすると起きる可能性があります。
蛍光灯なども一瞬消えているはずなのですが、人間の目にはわからないので問題になりませんが、電子機器などは大きな問題を起こします。
ノートパソコンなどは「バッテリー」を積んでいるので問題ありませんが、デスクトップパソコンなどはもろに影響を受けます。その為にUPSと呼ばれるバックアップ電源を用意している会社がほとんどだと思いますが、ここで以外な盲点が有ります。
それがルーターです。
一般にルーターにはUPS機能を持たないものが多く、瞬停によってネットワークが初期化され、あっという間にパソコンが使えなくなる事故が多発していると聞きます。(NTTなどは雷が起きるたびに問い合わせの電話がパンクしているそうです)
いったんトラブルを起こすととっても大変ですから、今から準備しておいたほうがいいです。1万円程度で5年はルーターの瞬停が防げる機器をキヤノンシステムアンドサポートが用意していますから、皆様どうぞ。(たまには宣伝してあげる^^)
Posted by 金丸 : Comment(0) | 2008.8.28.
メルマガを書いていた頃、メルマガが不動産会社向けでなく、不動産業界がわからない消費者に向けたものであったがために、読者から不動産業界についてのいろいろな質問をメールでいただきました。
そんな中に「どんな物件が良い物件なのですか?」というものが良くあり、「それはーー」と言葉に窮してしまうことがたびたびでした。
人にはいろいろな好みがあり、予算もそれぞれです。また物件にもいろいろなものがあり、立地や間取り、新築や中古、戸建てやマンション、都会や地方、さらにローンも多種さまざまです。
さらにさらに、世の中の景気の影響を受け、上がり目だったり下がり目だったり、今月はこの値段だとしても来月は同じ値段だとは限らず、あろうことか買ったり借りたりする人によっても値段は変わります。
そんな不動産業界にあって「どんな物件がいい物件なのか?」といわれても、明確な一つの答えなんて導きだされるわけが無いのです。っとしばらく答えていましたが、あるとき大変有名なお茶の先生にお茶を立てていただいたとき、その一つの答えが浮かんだように思い、それからは以下のように答えることにしました。
(この話の一部は昔メルマガにも書きました)
私はあこがれてはいますが、お茶はやりません。粋な人間ではないのですが、あるとき大変有名なお茶の先生に招かれてご馳走になったことがあります。
私は足がしびれながら、先生がお茶をカシャカシャたてているのをじっと我慢して、でっかい湯のみで少しづつまわしながら飲むのがお茶。くらいの認識しかなかったのですが、本式ではお茶をたてる前に「お道具」を見るという儀式が有ります。
それはそれは高そうな箱に入った湯飲みを(私には全然価値がわかりませんが)、畳の上におき、お客がみんなで見るのですが、落としたら大変だとばかり、みんな正座したまま前のめりになり、両肘をついて、そーーーと湯のみを10センチだけ畳から浮かせ、顔を近づけて、しげしげと眺め、良いお道具です。というのです。
私も落としたりしたらただじゃすまないと思って、そーっとそーっと持ち上げ、顔を近づけてしげしげと眺めたものです。(やっぱり良さがわからない)
さてお茶の会が終わり、銀座でみんなで打ち上げ(笑)で飲もうということになり、その席のことです。私はどうしてもあの湯のみをしげしげと眺める行為のわけを知りたくて質問しました。
「あのーほんっとに失礼な質問ですが、あの湯のみいくら位するのでしょうか?」(あとで誰かに言われましたが、本当に失礼な質問らしかったらしいです。すいません)
先生はそれでも優しく「お道具屋さんは値段をつけなきゃ仕方ないですから一応値段は有ります。あれは600万円くらいだと思いますよ」
「へーそうなんですか。ところであの湯のみはどういうところが価値があるっていうか、その技術的なところってどんなところなんですか?」(最悪の質問だそうです。本当にすいませんでした)
私はなんとか焼きだとか、何年ものだとかまるでワインのような価値の理由を話されると思っていたのですが。
「それは長いことずっと、たくさんの人に大事にされたからです。」
「え」
「長いことずっと、たくさんの人が大事に大事に扱ったからその大事にした価値が今の値段です」
たとえば3000万円の物件には、それなりの材料が使われます。同じ値段でも、職人が一生懸命吟味した材料と、そうでない材料には差が出ます。材料を使って建築する職人も、一生懸命立てた物件とそうでない物件には差が出ます。
不動産会社も一生懸命お客様のために努力して探した物件と、儲かるからと提案する物件では差が出るものなのではないでしょうか。
良い物件とは、大切に作られた物件であり、その物件の価値をわかる不動産会社から購入したり、借りたりした物件だと思います。
だから良い不動産会社を見つけることが出来れば、良い物件にめぐり合えるんです。
あれからは、今日までそう言い続けている私です。
Posted by 金丸 : Comment(1) | 2008.2.5.
とうとう2007年も今日で終わりです。
今年の一文字は「偽」だそうですが、あんまり良い年ではなかったってことでしょうか?ちなみに私の今年は・・・・と考えてみると「忙」でしょうか?(「酔」にしようか迷いました)
このブログも何かあるたびに停滞し、楽しみにしていた皆様にはご迷惑をおかけしました。すいません。
さて「偽」の2007年ですが、どうもすっきりしない気持ちが残っているのは私だけでしょうか?
確かに「偽」に当たることはたくさんあったような気がします。
ミートホープ、白い恋人、赤福に吉兆、何べんも何べんもマスコミで取り上げられていました。でも。賞味期限が過ぎて病気になった人はいないんじゃないかな。
事件を起こした会社の経営の体質や、コンプライアンスについては大きな問題ですから、ニュースになるのは当然ですが、消費者に実質、実害が無い一企業の問題で、あれほどマスコミが時間をかけて追求する話なのかな?と思っています。
過日アフリカの誰だったか忘れましたが、日本の「もったいない」という言葉に感動して、世界中に「もったいない」を広げる運動をしてノーベル賞を受賞した女性がいましたが、もったいないと考える日本人の心は「偽」の2007年には無くなったのでしょうか?
今のマスコミの論調にはネタとして受けるから扱っている気がしてなりません。そしてマスコミが言いっぱなしで新たなネタに飛びついたあと、もったいないが日本から無くなってしまうことを憂慮するのです。
この前読んだ本では、トヨタがスキャンダルをほとんど報じられないのは、スキャンダルが無いんじゃなくて、年間1000億円もの広告宣伝費を使っているので、どのマスコミも取り上げられないからだと有りました。ねえ、弱小な会社だからここまで追求したってわけじゃ有りませんよね。(だけど、吉兆は私もひどいと思います)
ああ、もう誰もこのブログを読んでいないだろうからと、止め処も無い話を書いていますが、物事の真理はいつも表立っているわけではないということです。
商売もそうです。あの会社が儲かっているからってまねをしても、ほとんどうまくいかないのは、表立って見えることだけでは何も成り立たず、本当の成功の原因は割りと目立たないところにこそあるからだと思います。
(見えるところだけだったら、すぐ真似されますから)
ブログが世に登場したとき、確か不動産データ&ジャーナルの浅見社長が不動産業界のみんなにブログの開設を呼びかけていましたが、私は「ブログなんてただの日記」流行るのは今だけで、あっという間に誰もやらなくなるに決まってる。と思ってやりませんでした。メルマガが大変だったことも有りますが、交換日記とかしている友達を見て気持ち悪いと思っていた私には、一部のオタクの中ではやるツールにしか見えなかったのです。
しかし、私には見えていませんでした。この業界の人たちの才能が。いつも、継続して努力するべきだと話ているのに、自分より継続して努力できる人がこれほどたくさんいることがわからなかったのです。(反省)そして今遅ればせながらブログを書き、そして更新しないと怒られているわけです。(笑)皆さん本当に立派です。
さて今年も終わりの12月27日に、ITレックスの鳥海社長が来社されました。ITレックスさんでは「ローン講座君」という新システムを今年開発したそうです。先日の@dreamdayでも、ブースを出して紹介していたのでご存知の方も多いと思います。
そのシステムをちゃんと見たことが無かったので、デモをしてもらったわけです。もちろんその前に内容は把握していました。不動産会社の店頭で、売買物件のローン計算を簡単にすばやく出来、きれいな帳票がたくさん作れるというものです。帳票も既に見ていました。
ただまたしても私はこう思っていたのです。(ローンの計算なんて、結局何とでも出来る。最後は銀行の事情だし、それが効率的に出来るのは悪くは無いけど、商品にはならないんじゃないかと)
そんな先入観の私の前で、粛々とプレゼンテーションが行われていったのですが、途中でこの商品の目的がわかりました。そしてなるほどと思ったのです。
「営業は掛け算」
実は営業というものを足し算と考えている経営者が非常に多くいます。たとえば集客のために、何枚ポスティングをしたか、あるいは何件飛び込みをしたかを管理する上司。
出てきた見込みの案件から、来店もしくは商談までいかにもっていくかを管理し、電話をさせ、メールを打たせ、お礼状を書かせ、部下をつめていきます。
そして何人かは商談と進みます。何べんも会い、商品の説明をします。会っている時間が長くなれば長くなるほど、成約の確率が高まるからです。
何通・何通・何回・何回・何回・・・・・・・・・・
しかし上記のような営業スタイルは、右肩上がりの売り手市場でこそ効率の良い考え方なのです。(私の営業経験によります)
たぶん上司の頭の中には、集客(20点)+追客(20点)+一回目の商談(20点)+二回目の商談(20点)=80点以上になればお客様は契約するみたいな図式があると思うのですが
この中でたった一つでも、幻滅したり、軽蔑したりするとすべての努力は0点となるのが掛け算の営業の世界です。
集客×追客×一回目の商談×2回目の商談=何点以上
二回目の商談でお客様に頼りないと思われて0点だとすると、
20×20×20×0=0点ということです。
私が機械装置の商談をしているとき、この人は知らないなと思われたら、どんなにそれまでうまく行っていた商談でもそれで終わりでした。知らないやつに頼んだら不安だからです。ライバルの非常に少ない、オーダーメードの装置の商談でさえそうだったのです。
だから商談に望む前には、その技術の周辺のことを徹底的に調べ、いろんな方向から話しが出来るよう勉強したものです。
不動産会社の店頭でも確かにそうなんです。私は物件を知らない営業には本当に幻滅すると、たくさんの不動産会社に伝えましたが、契約にいたるプロセスも同じことで、その中にローンの説明があるからITレックスはシステム化したのでしょう。
(だけどローンの話はクロージングのあとだから、そこで少々手間取ったとしても、お客は逃げないよ by日本中の営業さん)
また秀逸だったのはこのシステムを使う場面です。
「商談の最初」に使うべきだと提案しているのです。
ローンについて今まで詳しく知らなくても済んでいたのは、すべてクロージングしてから最後に出てくる話だったからなんです。それを最初に提案するべきだと提起されていました。
確かに出来る営業さんは実はそうです。最初に提案することによって買えないお客様に、事実をわからせることが出来るからです。ですが売れない営業さんは、お客を失ってしまうことが怖くて、失う可能性がある話しをしようとはしません。そして最後に買えない客となり、それまでの時間をすべて無駄にしてしまうのです。(お客様もね)
これって掛け算の営業をするために、不動産会社の商談で抜けているところをカバーさせるために、この商品が開発されたということです。
もちろん近隣のライバルさんたちが、みんな足し算の営業をしているのなら、別に売上が落ちることは無いのでしょうが、ネットの集客と同じで、世の中が正しい方向へ回り始めた場合後戻りしません。(「ちゃんとやりましょう」が、「ちゃんとしなくていいです」とはならないでしょう)
我々ばかりでなく、いろんな人たちがちゃんとやる方向に世の中を回し始めています。そして、それらのツールを使って現場が変わり始めています。
今年の@dreamdayで私は、「2016年が本当ににっちもさっちもインターネット」の始まりの年だと思っていると申し上げました。あと8年、まだまだいろんなやり方があるんだなと考えさせられた年末でした。(完)
それでは皆様良いお年をお迎え下さい。私はこれから車を洗わなければなりませんので、もう書くことが出来ません(寒)止め処も無い内容で貴重な年末にお付き合いくださって有難うございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げて、指をおきます。
Posted by 金丸 : Comment(7) | 2007.12.31.
マイナス気温の北海道から徳島へと飛び、今日は会社で会議三昧でした。
そんな愚痴はさておき、いよいよ来週は「年末@dreamDAY!」の開催です。品川での大忘年会もかねた当社の年間最大のイベントです。
昔は当社の事業部内だけでひそかに、「@dream大賞ってのがあったら今年はこの会社だね。」なんて話をしていました。基準はいつもどれだけインターネットからの契約が取れているか、だったのですが、3年ほど経った時ににそれらの会社には、インターネットの影響を受けた不動産業界の新しい動きが発生していることに気づきました。
我々が勝手に考えていた第一回の受賞者は「ランドハウジング」さん、第二回が「アルファーランド」さん、第三回が「シガレットホーム」さんでした。
*それぞれの会社さんには拙著「街の不動産屋さん”待ち”の経営から抜け出す」「インターネット不動産経営・勝つための11のセオリー」にも登場してもらっています。
「ランドハウジング」さんは、インターネットでのお客様とのやり取りにメールが大きな効果を生み出すことと、そのことによって成約率が抜群に向上することを教わりました。
「アルファーランド」さんには、日記の効果とリピート客の発生を教えられました。
そして「シガレットホーム」さんには、インターネットが紹介を発生やすいツールだと教えていただいたのです。
間違いなくインターネットは集客のツールではなく、コミュニケーションをとるツールだと市場に提案できるようになったのも、上記の3社さんを始めとした導入会社さんたちの成功によるものです。
これは間違いなく不動産業界の新しいコンセプトだ、是非日本中にわかってもらいたいと、4年目に品川のストリングスホテルで開催したのが第一回@dreamDAYであり、@dream大賞だったのです。
(我々の中では第4回なのです)
さて、その栄誉ある第1回の大賞を受賞されたのが「サクラホーム」さん。サクラホームさんには、売買仲介がインターネット市場に大きく舵を切り始めたことを教えられ、その成功の秘訣は従来の売買仲介の仕事と同じく、マメに努力を継続することだと話されました。
そして去年の第2回(我々的には第5回)では、「クーパーズ不動産」さんが受賞し、物件はお客様が選ぶ、そして物件を選んだお客様の次の行動は「不動産会社を選ぶ」ということを教わりました。
会場にいたみんながクーパーズ不動産の社長のおっしゃった「我が社の契約は、半分以上が1件の内見で契約に至っております。」の言葉に愕然としたのを覚えています。
そして来週の18日には第3回の@dreamDAYで、大賞選考会が催されます。
今年は事前審査として(えらそうに大変申し訳ありませんでした。お許しください)、論文を書いてもらい社内選考会を経て、部門賞を獲得した6社が壇上に上がりスピーチを行います。既にほぼ満席の申し込みがありますので、部門賞を受賞された6社の皆様は全国1400社の代表として、会場の300名に向けてのスピーチを覚悟しておいてください(笑)。
スピーチのあとには当社の顧問であり、早稲田大学副総長小林栄一郎氏の記念講演があり(懇親会にもご出席いただきます)、業界を取り巻くさまざまな会社のブースでのデモンストレーションもあり、そして(私の話も少しあり)の盛りだくさんのイベントの中、大賞が決定します。
大賞は第3部の懇親会で発表されますが、ここで全国から集まった不動産会社同士の暖かい?そして激しいノウハウの披露会と忘年会が行われます。いろんな地方から、いろんな規模の会社さんや、いろんなFCに参加された方まで、カオスな状況で新しい風が生まれるのです。
さあ今年はどんな新しい風を吹かせてくれるのでしょうか?私も楽しみにしております。まだ参加表明をされていない方、是非参加してください。
日時 2007年12月18日(火)
第1部:10:00~12:00 @dream2000操作講習会
第2部:13:00~17:00 @dream2000 オブ・ザ・イヤー
第3部:17:00~19:00 謝恩パーティー
参加費
第1部・第2部:無料
第3部:4,000円/一名様
コクヨホール
〒108-8710 東京都港区港南1-8-35 会場アクセス
品川駅港南口より徒歩約2分
※詳細なスケジュールとお申し込み
Posted by 金丸 : Comment(2) | 2007.12.14.
昔の話ですが、あるプロジューサーO氏と飲んでいたときのことです。彼は有名なストリートパフォーマーをプロジュースしたあと、数々の歌手のプロジュースを手がけていました。
「大黒麻季が休養したいって言うんだよ。そんなことしたら絶対やられちゃうから、止めろっていったんだけど聞かないんだよ。まったく。」
「何をどう、やられちゃうんですか?」
「同じマーケット。マーケットってファンのことだけど、そのマーケットを狙って新人が出てくるってこと。芸能界はその繰り返しなんだよ。あーあ、まったく。」
「ふうーん」
そんな話を聞いていたので、その後興味を持って芸能界を眺めていました。時をおかず、デビューしたのがあの浜崎あゆみです。
浜崎はその一年間で存在感を増し、大黒が再デビューしたときにはもう太刀打ちできない地位を確立していました。
そういえばサザンオールスターズが休養したときにはチューブが、村下孝蔵さんが病気になったあとには、槙原則之さんが登場しましたね。
こうして間隙を突いて新人が出てくるのです。
マーケットはいつもバランスを取るよう、今まであったものがなくなると、新しい人材や商品を受け入れる体制になるということです。
さて話は不動産業界。
不動産業界でのまたまたマーケットの変化が感じられます。
(最近は良くない変化が多くて困りますね)
具体的に言えば戸建てやマンション開発業者の環境変化です。
サブプライムローン問題が、めぐりめぐって日本の地価に影響を与えると先日書きましたが、その後もいろいろ聞いて回ってみると、もう確実に影響が出ています。
最初に起きたのが銀行による開発業者への貸し渋りです。担保となる物件が値下がりしたり、売れ残ったりするリスクを避けるため(不動産の先下げ感の発生)、今融資している案件が返済されたら、つぎの融資を実行しましょう。と持ちかけ始めました。(実質貸し渋り)
実は販売が好調なのは大都市の中心部か、駅近高級物件だけで、販売に困っていた業者は次の開発案件の融資で資金繰りをまわしています。そこで貸し渋りがおきたのですからやることはひとつ。出来るだけ早く処分するしかありません。
「一括で引き取ってくれたら4割引きで結構です。」
2割下げて、残りの2割で広告打って、販売すればなんとか利益が出るかもしれないと、いくつかの不動産会社が飛びつきました。
でも2割下げて売れるのなら、元々転売なんかしなくて自分で2割引きで売ればいいのです。売れないから4割引くのですから、やっぱり4割引かなければ売れるはずもありません。こうして4割引きで引き取った不動産会社も赤字になります。
そうこうしているうちに年末が近づいてきました。3月の年度末まであと5ヶ月を切ったということです。
年度末を越えて売れない物件を持つことは、財務を劣化させますので、いよいよ損きりの必要が出てきます。そこで5割引きで一括処分し始める開発会社が出てきました。
半値で処分して赤字を出した会社は、それでも別の開発案件を企画しなければなりません。社員の生活のためには、会社の存続が必要で、存続するためには売上を上げなければならないからです。しかし市場の変化に地価は遅れて反応していきます。地価は、まだそれほど下がっていないのです。
ここで目をつぶってまだ下がりきっていない土地を仕入れた会社はお陀仏です。
少し鼻の利く会社であれば、売れない物件を損きりせずに賃貸に振り替えます。分譲するつもりの物件ですから、最初から賃貸物件として作られたものより物が良いので、お客様がつくからです。
しかし、その物件のおかげで回りの賃貸物件のお客さまは減ります・・・・・・・
不動産業界の先輩方に聞いた話に、「不動産は買い時、売り時、休み時」だというものが有ります。
5~7年前を買い時、そして今が売り時だと思っている会社が多いと思いますが、休み時に突入したのかも知れないというのが、私が感じるマーケットの変化です。
ただ資金が無いと“休めない”のがつらいところです。
*前回バブル崩壊後は、この状況のあとバランスを取るように、賃貸仲介の会社の台頭が有りましたが、今度はどうでしょう。
Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.11.14.