社長ブログ

Googleの不動産検索( https://maps.google.co.jp )のコンテンツパートナー企業である、
株式会社ジアース(本社:大阪市西区、代表取締役社長:池添 吉則)は、不動産支援ソフトを提供しているリングアンドリンク株式会社(本社:埼玉県所沢市、代表取締役:金丸 信一)と、物件データ連携に関する合意を締結いたしました。
これにより同社の不動産支援ソフトを利用する約1,900社の不動産会社から約50万件前後の物件データがジアースに提供されることとなり、とりわけ賃貸物件に関しては、ジアースが既にデータ連携を開始しているGoogleの不動産検索にも自動的に掲載されます。
今後も、ジアースはユーザーの皆さまのさらなる利便性を追求するだけでなく、ジアースが独自にもつ豊富な不動産データベースの提供をとおして、ユーザーの安心できる物件選びに寄与いたします

皆様どうぞよろしくお願いいたします。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2010.12.2.

ネットスーパーの市場規模は08年に200億円を超え、すごい勢いで伸びてきているのですが、今はまだ収益を上げるのが難しいといわれています。ネットで注文を受けた店側では、商品棚から注文された商品を店員が取り、お客様の元まで配達するのですが、その配送コストが価格に転嫁できないことが原因だそうです。
しかしこれは全くインターネットの特性を理解していない販売方法です。インターネットは受注生産を可能にするツールなのです。在庫をもたないことによって価格が抑えられ、それが消費者に支持されたとき、爆発的に成果を上げるもの。そう考えるべきです。だからお店で売る商品をたんにネットで販売したって儲からないのです。
今までのスーパーはたとえばミカンなら、棚にたくさんのミカンを並べ、その前をお客さんがたくさん通り、何人かは買っていく。しかし、せっかく商品棚を作ってミカンを並べているのに、買わないお客さんのほうが断然多い。そして並べてあるすべてのミカンが売れるはずはなく、残ったミカンは廃棄処分される。その廃棄コストは当然売れたミカンに価格として乗っているわけです。
さらに商品棚のスペースも、販売する店員のコストも商品に乗っているはずです。これを打開するためにインターネットを活用するべきです。キーは受注生産。つまり注文を受けてから、すぐに配達するのではなく(その場合は配送コストを顧客に要求するべきです)、1日でも2日でも時間をくれれば、配送コストはタダでも元が取れるはずです。注文してから発注して、入荷してから配達すれば、在庫にかかるコスト、店員のコスト、商品棚のコストが削減でき、配送コストをカバーできるからです。
すでにこの方式は「生協」や「ヨシケイ」などが実践して成果を上げていますが、これと同じことがスーパーにも可能になるということです。インターネットのおかげで。
さらに言えば、イトーヨーカドーで洋服を買うとき、選んだ洋服を「2週間後でいいです」と言えば1割引きになるというサービスも考えられます。注文を受けてから作れば在庫のコストを価格に転嫁する必要がないからです。これもやっぱり在庫をもたないメリットがもたらす、店側にとって痛くない値引きです。
確か兵庫県にある急成長している通販の会社がありますが、この会社、毎月定額を払うと、スタイリストが勝手に洋服を選んで送ってくれるそうです。センスがいいとか、その他の要件もあるでしょうが、この会社のビジネスモデルも在庫ゼロです。
これが世の中の進む道であるならば、いち早く既存店舗を縮小した会社が勝つ可能性があります。さらにコストを下げられるからです。これは不動産業界でも起きたことですよね。時代が変わる時には、早く転換した会社ほど成功確率が高い。
こんな風に考えていると、ユニクロのビジネスモデルにさえ危うさを感じます。ユニクロも強力な販売力をもって、大量に発注することによる価格競争力で伸びた会社だからです。いったん売れなくなったら、在庫の山になるビジネスモデルは危険な時代に突入しているのです。もしかしたらトヨタのようになるかも知れません。
こうしてインターネットがもたらすビジネスモデルの変化が、製造業だけでなく、他の商品の販売現場における在庫に対する意識を高め、さまざまな影響が出てきているのですが、そもそも開発さえしなければ、在庫をもたないビジネスモデルを長いこと実践してきた不動産会社はどうなるのでしょうか?
初めに書きましたが、不動産業界はもう10年も前からインターネットの波にさらされています。そしてその波間で迷い、苦しみ、生き抜いているのです。当然他の業界に先駆けてインターネット時代のビジネスモデルを提示できるはずです。
その解は、成約率の向上とリピート客の獲得しかありませんよね。
(あー。結論は、やっぱりいつもと同じになってしまいました。)
あまりに収益力の高いビジネスモデルであったが故、見過ごされてきた成約率の向上。これがこれから成長する不動産会社の絶対条件になると思いますし、インターネットを取り入れ成功するスーパーの、次世代の解にもなるはずです。


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今年度は、テーマごとの会場を用意し、タイムスケジュールに応じてご参加していただけるようにしました。多数の講師陣をむかえ、事例発表セミナーを開催いたします。実践的なセミナーをこの機会に是非会場にてご覧下さい。
⇒ スケジュール詳細はこちらをご覧ください。

例年同様、今年も参加お申し込み受付直後から、多数のお申し込みをいただいております。
各部屋にはそれぞれ定員がございますので、定員に達した場合はお申し込み窓口を締め切りとさせていただきます。
⇒ 定員で申し込み締め切りのお部屋も!


【開催概要】
 2010年5月20日(木)

 ●第1部 業者交流会(無料)

  開場 9時30分 終了 16時
  日本教育会館 8階 第一会議室
  東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2

 ●第2部 情報交換会(有料:お一人様3,000円)

  開場 16時30分 終了 18時30分
  日本教育会館 9階 喜山倶楽部
  東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2

お申し込みはこちらをクリックしてご覧ください


Posted by 金丸 : Comment(4) | 2010.5.8.

大手のスーパーがインターネット販売に力を入れる。そんなニュースが聞こえてからちょうど3年ほどたちましたが、今年はいよいよ本格的に取り組んでいくようです。
この流れは来年のデジタル放送をにらんでのことだと思いますが、インターネットでいろんな商品が探されているとか、ネットが便利だから消費者はそこに流れるとか、そんな単純なことではないように感じます。ちょうど10年ほど前に、不動産業界を襲ったビジネスモデルの大きな変化が、いよいよ他の商品にも波及し始めているのではないか、という気がして仕方がありません。私が感じる(間違っているかもしれません。正解かどうかは3年くらい先にならないとわからないと思います)ビジネスモデルの変化を、今日は生産技術の観点からお話したいと思います。
昭和初期に世界的な大恐慌があったことは、今回のリーマンショックにあたって「100年に一度の大不況」のと叫ばれたことで改めて注目されていますが、その大恐慌の前に、製造業では産業革命以来の大きな変化が起きていました。フォードモータースによる大量生産の出現です。当時、お金持ちのおもちゃと揶揄された自動車を、大量生産することによってコストを下げ、大衆にも手が届く価格で市場に出したのです。このフォードの成功以来、製造業はいかに安く大量に品質の良い製品を市場に出すかが、企業の成長へのカギとなりました。
*ベルトコンベア、8時間労働、週40時間労働など現在の製造業の基本的な仕組みは、みなフォードによって成し遂げられたものです。
当時から先進国であったアメリカでさえ、消費者はモノに飢えていましたし、世界中の国の消費者はみな生活必需品が不足していたのです。だから高価な製品が安くなることは社会貢献でもあり、ひいては国力(国民の満足度が高くなる)が上がることにもなったのです。
日本でも高度成長時代には三種の神器などとして、テレビ、洗濯機、炊飯器などがあこがれの商品となりましたし、その後もラジカセやビデオ、現在でも薄型テレビや携帯などがその流れを汲んでいます。これらの商品は消費者がほしがっているのですから、手の届く価格で生産することができれば、おのずと売れていきます。ある意味作れば売れる時代だったといえます。
しかし一方で90年代のバブル崩壊を経験した日本では、少量多品種の時代にも突入していました。消費財に満足した消費者の登場が原因です。生活に必要な製品はすでに持っている。すでにある普通のものでなく、それより価値のあるものがほしい、という消費者に支持される商品をつくらなければ売れない時代が到来したのです。
画一的な商品を大量に作るだけでは、簡単に収益を上げることができなくなった企業は、画一的な商品は製造コストの安いところで作り(アジア)、日本の工場ではもっと付加価値のある商品を、いかに早く、そしてたくさんの種類を正確に作ることができるかが、企業の成長に不可欠になったのです。携帯電話などがその典型で、たくさんの種類を短期間に生産し、それでも収益を上げなくてはならなくなりました。
この流れがマーケティングという理論を、どこの企業でもビジネスモデルの中に取り入れるきっかけとなったのです。マーケティングとは、いかに買いたい消費者の前に買いたい商品を提示できるか、という理論ですが(ざっくりすぎますが)、たくさんの種類を作るということは、売れない商品を作ってしまうリスク(不良在庫)、売れる商品が足りなくなるリスク(欠品)を抱えていますから、どうしても消費者の動向や指向を正確に読み解く必要があったのです。
この時代の変化の中で最も注目されたのがトヨタの看板方式です。トヨタの看板方式とは、必要な部品を必要なだけ、必要な場所に届けるという風に理解されている方が多いのですが、トヨタの看板方式の肝は、在庫をもたず、かつ欠品を起こさないための仕組みです。
販売店で車が売れたら、その分だけその車を作る仕組みだと思ってもらえば結構です。しかしこのトヨタの看板方式が脚光を浴びた後、たくさんの会社が真似をしましたが、あまりうまく成果を上げることができませんでした。それはトヨタの看板方式の成功のカギが、実際には「強力な販売力」にあったからです。
トヨタの工場のそばにはたくさんの部品メーカーがあり、さらに必要な時間に必要な部品をトヨタの工場に供給するために、部品を満載したトラックが工場周辺に控えています。トヨタには在庫はないが、その実部品メーカーには大量の在庫があったのです。しかし部品メーカーの社長は文句を言いませんでした。なぜならその部品はトヨタの強力な販売力に支えられて、決して不良在庫にならなかったからです。トヨタの看板方式を取り入れても、本質的に販売力がない会社はその効果が限定されてしまったのは、こういうわけがあったのです。
*このことをトヨタの社員がよく理解していなかったから、大量に作り、大量に販売することを目指しすぎ、今回のトヨタの経営危機を招いたと私は思っています。
トヨタの看板方式を発明し、昇華させたのは元トヨタ副社長の大野耐一さんですが、大野さんの薫陶を受け、最終的に他の会社でも看板方式を取り入れ、効果を上げさせることに成功したのは、たぶん山田日登志さんという方です。
山田先生は指導する会社に看板方式とは言わず「セル生産」という言葉を使いました。別名「行燈(あんどん)」とか「からくり」とかを工場ラインに取り入れたことでも有名です。
セル生産方式とは、やはり在庫に注目した生産方式なのですが、看板方式よりもっと進んだことがありました。それは流通在庫にまで踏み込んでその削減を成功させたことです。トヨタでは実質直販でしたから、あまり意識されなかった流通在庫でしたが、街のお店で商品を売るメーカーにとって、問屋さんや、倉庫における在庫もいざとなったら不良在庫になりかねませんし、かといって少なければ欠品を起こして、販売機会を失う。そのためにどうしても流通在庫をもつ必要があったのですが、この管理が属人的であったり、過去の経験に基づいて行われていた(勘)のを、生産ラインの管理の中に取り入れてしまったのです。
私が知っているのは(というより当時もっとも成功していたセル生産方式だと思います)、ソニーの工場における「ウォークマン」の生産ラインでした。日本中のお店で売れた台数だけ翌日に生産するラインです。お店で実際に売れた数だけ作るので、流通在庫は増えません。問題なのは、日々の販売数量はイベント、時期、天候などによって大きく変化することです。
そこで山田先生は小さな手組のラインをたくさん作ることによって、その変化に耐えられるようにしました。当時のソニーの工場内には木工所があり、生産数量が増えると木でラインを即席で作る。という、それまでの常識から見れば「離れ業」といえる製造方法をとっていました。この方式はその後プレイステーションのラインにも取り入れられ、大きな成果を上げたのです。
*その後ソニーは何か事情があったのでしょう。セル生産への情熱を失ってしまったようです。それに代わってセル生産方式で大きな成果を上げていったのがキヤノンです。
大量生産の時代から、少量多品種の時代に対応するため、そして不良在庫を出さないために製造業では、こんな変化が起きていたのです。しかし大きな成果が出たからって安心して油断しているわけにはいきません。企業は永遠にコストを削減し、永遠に利益を上げ続けなければならないからです。そんな中、さらに在庫をもたず無駄を省く生産技術の手法が,登場してきます。それが「受注生産」です。そして、それを可能にしたのがインターネットだったのです。
受注生産で成果を上げた会社は、すでに90年代には登場しています。そうあのコンピュータメーカーの「DELL」です。
デルは徹底的にコストを削減するために、受注生産にたどり着きます。注文してから納期がかかることが難点ですが、受注生産がために、顧客ごとのカスタマイズが可能になりました。また在庫はもちろんゼロです。受注生産ですから。
受注生産のビジネスモデルにおける、最大のコストは営業経費であり、最大の問題点は価格です。一人ひとりのお客様の希望を聞くことのコスト、前例が少ない中で価格を交渉して決めるコスト、この二つが受注生産をメインにした会社の成長を阻んでいました。そのため現在でも一般的には受注生産イコール「下請け」として、決まったお客様の仕事をやり続けることを意味しています。
それがインターネットの登場により、お客様が自分でスペックを指示することによって、営業経費0円で製造することが可能になったのです。さらに顧客はスペックを指示する段階で価格に納得して発注しています。在庫をまったく持たないビジネスモデルは、その分価格を安くすることができたので、消費者の満足できる価格を提示することが可能になり、価格交渉という、もう一つのネックも問題にならなかったのです。たまたま当時のIBMPC互換機はスペックが統一されていて、誰でもが作ることが可能であったこともその成功を後押ししました。
この流れがこれからパソコン以外の他の製品にも、押し寄せてくると私は考えています。インターネットが営業経費を削減させ、受注生産のデメリットを消し、管理しなくても在庫をもたない。この生産性の向上を獲得した会社が、これからの主役になると考えているのです。そしてちょうどそんなことを考えている時に、ネットスーパーが登場してきたのです。
とここまで書いたところで、あまりに長くなってしまったことに気づきました。この先は次回にしたいと思います。


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【開催概要】
 2010年5月20日(木)

 ●第1部 業者交流会(無料)

  開場 9時30分 終了 16時
  日本教育会館 8階 第一会議室
  東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2

 ●第2部 情報交換会(有料:お一人様3,000円)

  開場 16時30分 終了 18時30分
  日本教育会館 9階 喜山倶楽部
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Posted by 金丸 : Comment(0) | 2010.5.6.

埼京ホームの里中さんから質問をいただきましたので、私なりの考えを聞いてください。
本年日経新聞が自信を持って値上げに踏み切れたのは、インターネット時代(情報化時代)における、マスメディアとミドルメディアの生き残り方の違いによるものではないかと前回書きました。
少し繰り返しになりますが、代表的なマスメディアである大手新聞社の記事は、マス(大衆)に向けて発信しているので、広い範囲を網羅しなければなりません。紙面や記者には当然キャパシティーが有りますから、広い範囲を網羅するということは、記事の内容が広く浅くならざるを得ないということです。
この広くて浅い記事がインターネットの情報に飲み込まれているのが、現在マスメディアを苦しめていると考えるのです。
一方で日経新聞は経済専門誌ですから(文化欄もなかなかですが)、マスメディアに比べればずっと専門的であり、記者もその取材範囲が限られているために深堀した記事を提供することが出来ます。上場企業の部長職以上の移動情報が全て掲載されているところなんか典型的です。
この事がインターネットで溢れる情報に負けない。というより、これだけ情報が氾濫しているのに「すごい」と読者に思わせ、値上げをしても(たぶん)部数が落ちないと思うのです。
よくお昼に仕事の打ち合わせをしていると「今朝の日経に載ってた記事だけど・・・」みたいな会話がありますが、「今朝の読売に載ってた記事だけど・・・・」なんて言葉は聞いたことがありません。朝日や読売の記事を話題にするなら「今朝の新聞に出てた記事だけど・・・・」となってしまうのが典型的な事象です。
さて、この現象が不動産業界の手数料減額となぜ結びつくかというと。まず西京ホームの里中さんは現在ベストセラーになっている「フリー」クリスアンダーソン著(あのロングテールを提唱した方です)を買って読んでください(笑)
この本は大変貴重な新しい価値観をたくさん提供しているのですが、この中に「潤沢な情報は無料になりたがる。稀少な情報は高価になりたがる」というものがあります。
私にとって潤沢な情報とは、不動産物件情報に他なりません。この業界で長く暮らしている方にとっては、物件情報が不動産会社の店頭か、広告でしか発信されていない時代に比べれば、消費者も便利になったな程度にしか感じられないかも知れませんが、消費者の立場から見れば、「ポータルサイトに同じ物件情報がたくさん載っている」ことや、「いくつものHPに同じ物件情報が掲載されている」ことは、まさしく潤沢な情報なのではないでしょうか?
だから無料になりたがるのです。これが手数料減額の本質だと思います。ここの所を業界内での競争のせいだとか、一部の不届きな不動産会社のためだとかと考えると、将来を間違う気がするのです。
公正取引委員会さんなどが、表示規約にのっとった正しい物件情報を掲載するよう一生懸命指導を始めていますが、これにのっとって情報を掲載しても、潤沢な情報には変わりはありません。
きれいな写真やきれいな間取りを掲載したとしても、現況優先の不動産の場合は差別化にはならず潤沢な情報の中のホンの少しの違いかもしれません。
これらは決して無駄と言っているのではありませんが、まだちゃんとしている不動産会社が少ない時代だからこそ、効果的なことだと思うのです。
では消費者が考える不動産会社の希少な情報とはなんでしょうか。それこそ表示規約にいのっとった物件情報や写真や間取りだけではわからない情報なのではないでしょうか?
地域に根ざした不動産会社だからわかる物件の情報。(建設した会社、近隣の環境、近所の住人、学校のレベルなど)
長年不動産会社に勤めているからこそわかるプロとしての情報。(ローンの組み方、銀行の選び方、万が一の時の処分の方法、家賃を滞納したらどうなるか、大家さんの人柄など)
不動産会社とその社員自身の情報。(交渉をどれくらいする気があるのか。どんな社長。どんな社員。どんな歴史を持った会社。私の出身地。私の人生。私はこれからあなた(お客様)とどんな関係を結びたいかなど)
本当の情報であることが最低条件ですが、これらの不動産取引にまつわる様々な情報こそが希少な情報だと思うのです。つまり日経新聞に見るミドルメディアの情報と同じです。専門家だからわかる深堀された情報。
現在ではブログやツイッターなどで、様々な形でこれらの情報を発信している会社が増えましたが、いまだ個人の属人的な能力に任されているのが現実であり、会社として仕組み化できているのは大変少ないように思います。
不動産物件情報が潤沢な情報であると感じている消費者は、これらの情報を提供してくれる不動産会社の言葉を、「稀少な情報」だと考え、その結果手数料は高くなりたがることによって、手数料減額の波に飲み込まれなくなると思うのです。よく私が言うリピートや紹介も、知り合いだからこそこのような情報が伝わりやすい関係となり、同様に手数料減額の波から逃れられると考えています。
これが日経新聞の値上げが不動産手数料減額を防ぐ解になるかも知れないという考えです。
里中さんのお仕事に少しでも参考になれば幸いです。


Posted by 金丸 : Comment(7) | 2010.2.13.

年末の討論系のテレビ番組で、「デフレ」が日本経済の問題の中でも一番重要なことなのではないかという意見がたくさんあり、(なるほどなるほど)と聞いていたのですが、そんな世の中を尻目に日経新聞が新年から160円に値上げされました。
昨年まで140円でしたから、なんと一気に15%もの値上げです。
昨年は私の好きな「夕刊フジ」も120円から130円に値上げされたのですが、こっちは経営が苦しいから(すいません)だと思うので仕方がないのですが、日経は違うと思います。
新聞やテレビの苦境が伝えられるようになって早1年。その中でも日経だけは異色のようです。つまり自信を持って値上げしたように思えてならないのです。
これは日経が経済専門誌であることが原因で、インターネットが進んだ世の中では、マスメディアの崩壊が進み、ミドルメディアが勃興するという現象を端的に表していることだと思います。
今更あえて言うことではないかもしれませんが、新聞好きの私は朝日や読売の記事がネットで見れる記事ばかりになっている事を憂慮しています。つまり共同通信などの配信記事をそのまま掲載しているのが多すぎるのです。
今までネットがなかった時代は、朝日の読者は朝日しか読みませんでしたから、そのことに気がつきませんでした。しかしこれだけ情報が氾濫していると、YAHOOのニュースなどで大抵の記事は読んでしまいます。そんな読者がせっかくの紙面で同じ記事を読んだときの幻滅感といったらありません。
アメリカなどではGoogleが利用されていますので、Googleニュースなどで検索すると同じ記事が数千も出てくることが頻繁に起きているそうです。そしてその内容は全てがほとんど同じ。この事がアメリカの新聞社を苦しめ、地方紙の倒産を誘発しています。
こんな時代に暮らす読者が求めるのは、独自の情報。つまり情報を本当に発信している本人の記事ということになります。
経済専門誌である日経はそんなことに気づき、自身を持って値上げしたんでしょうね。
不動産会社の皆さん。そろそろ独自情報の大切さを意識したほうがいいかもしれません。(きれいな写真とか間取りではありませんよ)
日経の値上げは不動産業界で言う、手数料値下げに抵抗する解なのかも知れないからです。


Posted by 金丸 : Comment(5) | 2010.1.8.