皆さんe-Japan計画って聞いたことありますよね?
これは日本政府が世界最先端のIT国家にするとぶち上げた行動計画です。
ぶち上げた当初は「何が起こるんだろう」という感じで見ていたのですが、あんまり何にも変わりませんでした。
住基ネットを推し進めるための方策くらいにしか、我々に影響はなかったように思います。
ところがこのごろ段々とその影響が染み渡り始めたようです。
株の世界では「国策は買い」という格言がありますが、
*国策に影響を受ける市場に存在する会社の株は買いという意味*
確かに大きな社会構造の変化を生み出そうとしているようです。そしてきちんと対応しなければ(すぐにです)、デジタルデバイトの負け組みに落ち込むことは目に見えています。
*デジタルデバイト*
パソコンやインターネットを使えるか使えないかによって情報の格差がおき、それがビジネスや人生に影響を与えること。もっとはっきりいえば、パソコンやインターネットを利用しない人が社会の落ちこぼれになるということ。
ちょうど今、大学3年生は会社説明会の季節です。
大手企業は2000年頃から説明会への参加申し込みは、ホームページの申し込みフォームからしか受けつけない企業が増えてきました。
そして今では、一次面接の日時の決定も合否の結果も、すべてがネット上で行われるようになりました。せいぜい最終面接の打ち合わせくらいが電話です。
こんな話を聞いて「大手はかっこつけてインターネットを使っているんだな」
なんて思っちゃ絶対ダメです。
実はインターネットを使うことによって、大変なコスト削減、効率化が出来ているのです。
昔だったら、会社説明会への申し込みは、申し込み書を書いて郵送で送っていました。
送られた会社の総務は、封書を開いて、中の書類を確認して、リストを作って説明会に備えます。
説明会が終了すると、一次面接の希望者に電話して日程を確保します。
一次面接の結果が出ると、合否を伝えるためにはがきを書き、投函します。
落ちた学生はこれで終わりですが、合格した学生にはまた電話をかけ、
二次面接の日程を確保します。
これを最終面接まで繰り返していくのです。
ソニーや松下のように有名な企業は、この作業をするのに総務はどれほどのコストをかけていたのでしょうか?
これがインターネットのおかげでほとんどなくなっちゃったのです。
学生は企業のホームページから説明会の申し込みをすると、それは自動的に総務で管理するパソコンのデータベースに格納されます。
データベースにはソフトウエアがあって、一次面接を希望する学生のデータをチェックするだけで、メールで日時を連絡するだけでなく学生固有のページを作り上げ、そのページに学生がアクセスするだけで、その後の打ち合わせがすべて済んでしまいます。
30人掛りだった作業が、一人ですむようになってしまったのです。
これが出来る企業と出来ない企業は大きな経費の差が生まれます。
これがデジタルデバイトといわれるものです。
Posted by 金丸 : Comment(7) | 2006.4.7.
夕刊フジBLOGに弊社金丸信一のインタビュー記事が掲載されました。
「ITなんて、おれには関係ない」とのたまう御仁が、あなたの会社にもきっといるだろう。同様に、「ウチはITとは無縁の業界だから…」と公言する業界も多い……….
write by 増上寺
Posted by 増上寺 : Comment(0) | 2006.4.6.
日本中のいろいろな街角で、少しずつ、しかし劇的な変化が起きている!
本書を読めば「頓挫している理由」がわかります。
あきらめていませんか?
不動産業にインターネットは不向き・・・だって。
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write by 増上寺
Posted by 増上寺 : Comment(0) | 2006.4.3.
*IT(情報技術)
このごろでは「IT」とか「IT企業」とか耳にしない日はないほどですが、「IT企業」と聞くと心の中にいつも違和感を覚えています。
なぜなら、よく言われる「IT企業」は本来「IT企業」ではないからです。
自分なりの判断ですが、IT企業とは「情報技術を提供している企業」つまりテクノロジーを提供している企業であるべきだと思います。
YAHOOも楽天もサイバーエージェントもソフトバンクでさえIT企業ではないと自分は考えています。これらの企業はインターネットという新しい仕組みを取り入れた、新しいタイプのサービス業だと考えるべきではないでしょうか。
なぜなら、そこにはそれらの会社独自のテクノロジーがないからです。
営業力やブランド力の上に成り立っているビジネスだと思います。
本来正しくIT企業と言うのは、たとえばインテル、たとえばマイクロソフトなど新しいテクノロジーを開発している会社です。日本におけるIT企業といえばやはりソニーや松下、キヤノンに代表されるデジタル技術を開発している企業となります。
そしていつかは、本物のIT企業が市場を席巻するはずです。極端に言えば、本物のIT企業が価値を認めていないから、参入しないことをよりどころとして現在のインターネットサービス業は成り立っているのではないでしょうか?
そのことを薄々感じている経営者は、出来るだけ早く対抗できる規模にまで会社を成長させようと、M&Aを繰り返しているように見えて仕方がありません。
ライブドアがフジテレビにニッポン放送の買収を仕掛けたとき、(あーこれは完全にライブドアの勝ちだな)と思ったのですが、それはフジが対抗してライブドアの株式を買い進めるには、ライブドア自体の価値がなさ過ぎることが原因です。
このことは実は楽天対TBSでも同じことが言えて、TBSは楽天に対抗する敵対的買収を仕掛けることは不可能でしょう。なぜなら株価に比べて企業そのものの価値(収益力など総合力)が低すぎて、大損してしまうからです。
だから、本当のITなり実業が存在しない企業でいることは、絶対喧嘩に負けない有利な立場なのですが、やっぱりそこはそれ。何とかして企業価値を高めなければならないと幹部は考えるでしょうし、そのためのM&Aを繰り返していくことでしょう。
でも、もし本当の価値と株価が見合うようになったら・・・・・大手を振って本物のIT企業の傘下に取り入れられちゃうのかも知れませんね。それが世の中の仕組みのような気がして仕方がありません。
Posted by 金丸 : Comment(3) | 2006.3.31.
インターネットをビジネスに取り入れるとき、とにかくインターネットを利用することを考える。HPをたて、メールを送る体制を整える。
でもそれだけでインターネットビジネスが始まるわけではありません。
インターネットビジネスを究極まで突き詰めればホームページの運営とメール営業とになりますが、それらの行為(HPやメール)に視点をあて、それらの行為をいかに自分の商売に取り入れるべきかと単純に考えるとなかなかうまく行くものではないのです。
そこで、ネットが普及してから起こったビジネスをまず整理してみましょう。
実はネットの普及は技術に先導されていたわけではありません。HPやメールでなく、コストがかからないことが発展した理由なのです。
インターネットがビジネスに取り上げられ始めてからしばらくの間は、まず着メロが爆発的にはやります。当時着メロは新しいビジネスでしたが、着信メローディーがはやったことでなく、月々300円の費用をお客様からいただくというビジネスモデルがインターネットで成り立ったことに着目すべきです。
月々300円のビジネスモデル。これネットが普及するまで存在していたでしょうか?
月々300円で商品やサービスを普及させ且つ利益を出すためには、商品だけでなくそのサービスを提供するためのコスト(流通コスト)までも抑えなければなりません。
これがサーバーにデータを置き、インターネットを使って供給することによってカバーできたのです。サーバーに着メロのデータを置くコストはそれほどでもありませんし、配信するのはインターネットですから限りなくゼロに近い。これが月300円のビジネスを発生させた原因です。
但しこの300円のビジネスモデルには泣き所があります。それが集金です。300円では集金のコストが300円以上かかるので成り立たないのです。そこで、既に集金の仕組みが出来ているビジネスモデルに乗ることが必要でした。その仕組みが出来ているところといえば、電気、電話、ガスなど生活インフラの会社です。
着メロはNTTに集金金額の数パーセントの手数料を支払うことによって、集金という泣き所をカバーすることが出来たのです。
このように考えてみると、着メロは確かに携帯が普及したから生まれたビジネスモデルですが、インターネットの普及とNTTの集金システムに相乗りしたことによって生まれた「新しいサービス業」といえるのかもしれません。
このようにしてネット初期に着メロなどの低価格サービスが生まれますが、そのうちだんだんコストの高いサービスでもネットビジネスが生まれてきます。そして新しいものだけでなく既存のサービスを劇的に変化させるものも登場してきました。その代表的なものがネット証券です。
ネット証券界最初のスターは松井証券です。当時松井証券は業界ではブービー証券会社で(下から数えて2番目)創業者の娘婿であった松井社長が業務改革を断行しネット専業化することで、その分野では野村證券をしのぐほどの実績を上げることが出来ました。
時代の寵児とも呼ばれた松井証券と松井社長ですが、もともと業務改革を始めた頃の方針はTEL営業でした。しかしネットの普及を見て取った松井社長は一気にネット専業化させました。このことによって松井証券には営業マンが一人もいなくなったのです。(ここが大事)
着メロにおける供給コストや集金コストの削減。
そしてネット証券における人件費の削減。
松井証券がネット専業化した当時、他の証券会社は対面営業が中心でした。その為人件費がもっとも高いコストになっていました。
これをインターネットによってコストダウンさせたことが、松井証券のビジネスモデルだったのです。
Posted by 金丸 : Comment(5) | 2006.3.29.