社長ブログ

今年のインターネット白書を見ていたら、もっともインターネットが有効に利用されている(販売されている)のは書籍だということでした。
やはりこれはアマゾンの影響だと思いますが、アメリカでも本からアマゾンが始まったことですし、本が商材としてインターネットに向いているということは間違いありません。
これってマーケティング的にも、非常に理にかなっているといわれています。
アマゾンはよくロングテールの法則の観点から語られますが、別にこんな風にも言われています。
日本では毎日300冊の新刊が出るのですが、日本の本屋さんの数とスペースは相対的に非常に少なく、結果としてベストセラーばかりが置いてあります。その為にほしい本は発売後すぐに買わなければ買えない現実があります。
「膨大な商品に対してほんの少ししか買えるものが無い」この盲点を逆手にとることがインターネットとデータベースによって可能になったことが、ネット商材に本が向いている原因です。
膨大な商品があるのに見つけることが出来ない。
膨大な商品があるのに比べることが出来ない。
不動産も実は同じです。だからインターネットに向くのです。
だけど・・・・・・・・・・・
インターネット白書には別のデータも有りました。
インターネットで購買する商品のどん尻に不動産が有ります。
不動産はインターネットで探したり比べたりするのに最高だが、絶対それだけじゃ買わないということです。
それなのにネットだけで(HP)買わせよう、借りさせようとしている不動産会社の多いこと多いこと。
それがだけど・・・・の原因なんです。


Posted by 金丸 : Comment(2) | 2007.10.29.

ここのところ急に潮目が変わったと感じることが多くなりました。本当に変わるのかもしれません。
埼玉県は日本有数の建売業者の激戦区ですが、2年前から徐々に売れにくくなった時には過当競争だと思いました。
今年の春には「がくん」と厳しくなり、既に土地の仕入れを中止した開発業者が多数見られます。
今度はネットのせいだと思っていました。いくらでも物件探しが出来る消費者が、買い急がなくなった結果だと思ったのです。
この夏には、500万ほど値引きをして販売する物件が多数出てきました。それもネットで買い急がなくなった消費者のせいだと思っていました。
マンションも高級物件は飛ぶように売れていますが、ちょっと立地の悪い物件は売れなくなりました。
これはサブプライムで粉々になったファンドが買えなくなったせいだと思っていました。
でもそんなことではなく、もっと大きな潮目が変わったかもしれません。
今月になり、5年ほど無かった現象が起きています。
人手不足で誰でもいいから人がほしいと言っていた工場が仕事を探しています。
内定をもらえず半年以上も説明会回りをしている学生を見かけます。
商工リサーチを見ると、倒産件数が激増しています。
あの何でも高かったリクルートが数々の賞品を値引きし始めています。(これからは安くする事で勝負するそうです)
今まで本当の価値が無いのに、高い値付けが功を奏して利益を出していた商品やサービスなどが淘汰されていくのかも知れません。
お金は確かに余っていますが(世界中でお札を刷っているから)、少なくとも景気の踊り場に今我々はいます。
ps:明日は北海道の景気を見てきます。コートか?


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.10.23.

5月15日の東京ユーザー会は、おかげさまで200名を超える不動産会社の皆様と、我々スタッフや提携会社、マスコミの皆様を合わせて300名超となりました。
早いもので、@dream2000が発売されてからもう6年にもなろうとしています。数々のトラブル(笑)を乗り越えよくここまできたものです。
2年目には各地でセミナーを開催し始め、3年目にはその内容を本として出版し、4年目には導入会社さんの協力で、事例を集めた本も出版いたしました。
ちょっと数えてみたら私がやったセミナーだけで、もうすぐ500回。参加していただいた皆さんの数が10、000人にもなります。(ほー)
全国で行う操作講習会やユーザー会も、会を重ねるごとに参加者が増え、我々だけでなく生の話を聞きたいとの要望にこたえて、導入ユーザーの皆様に講師をしてもらった回数も、もうのべ50回にもなるんじゃないでしょうか?
今回のような大きなユーザー会は年末の@dreamDAYと合わせて2回ですが、こういう大きな会になると普段会えない方にもたくさん会えます。
発売初期の頃から、いろいろアドバイスをいただいた方や、現在飛ぶ鳥を落とす勢いのある業者さんまでさまざまです。
残念なのは全部の方と話できないことですが、全国に行きますからそのときには声をかけてください。
みなさまに支えられてここまで来た会社です。これからもどうぞよろしくお願いします。と、心から思った一日でした。


Posted by 金丸 : Comment(2) | 2007.5.19.

今日雑誌を見ていたら、戦後最長の景気回復のなかで倒産件数が5ヶ月連続で前年同月比増加。しかもそのうち不況型倒産が7割にも及ぶことが書かれていました。
さらにバブル崩壊以来、倒産会社の業種は不動産もしくは建築がずっと主流だったのですが、ここに来て小売業の倒産が激増しているそうです。
倒産には「放漫経営」(好き放題お金を使って資金繰りがつかなくなる)
「連鎖倒産」(受け取り手形や受け取り小切手が不渡りになる)
「設備投資の失敗」(旅館などの倒産の多くがこの形。新規設備投資をすれども、売上や利益が思ったほど伸びずに、資金繰りがつかなくなる)
などがありますが、バブル崩壊以来ずっとこれらの要因が主流でした。
それがとうとう不況型倒産(販売不振、売掛金回収難、業界不振など)が主流となったということです。
さらに記事には、こんな表現が多用されていました。
「力尽きた」
バブル崩壊以来15年。必死に頑張って経費を削減し、努力をしてきた。世の中全体の景気は良くなってきているんだから、あともう少しの辛抱だ・・
と頑張ってきた中小の小売業が力尽きているそうです。
こんな記事を見ていると、格差社会(大企業と中小零細企業)(首都圏と地方)などと声高に叫び、政治が悪いなんていいそうな評論家がたくさんいますが、この現象は政治のせいではなく、絶対インターネットのせいだと思います。
小売業はもっともインターネットの影響を受けやすい業種です。どこでも買えるものを、買いやすい立地(小さな町の商店)選びやすい場所(スーパー)を提供することによって成り立ってきた業種ですから、インターネットの力にはまったく及びません。
これからの店舗はショールームとなり、手にとって、触って、感触を確かめてから「ネットで買う」消費者が主流となり、どこでも買える商品は一番安いサイトで買うことになるため、プライベートブランドの構築が出来ない商店やスーパー、百貨店は生き残ることは難しいでしょう。
そしてインターネットの影響は他の業種にも普及していくのでしょう。
不動産業界でも今のネット化が、ある程度のレベルに達したと考えている人がたくさんいます。しかしその方たちはほとんどがシステムの提供者であり、写真、間取り、動画、メルマガ、ブログ、RSS、などの技術的な観点から、もう十分やったと考えているからではないでしょうか?
現在の小売業の不振から読み取れることは、ネット社会でのビジネス変化にもっとも大きな影響を与えるのは、消費者が「ネットの特性に気がつく」ことによる変化です。
イトーヨーカドーに行って見たセーターが、ネットで安く買えるとわかった消費者と同じように、あせって買わなくても、借りなくてもいくらでも物件はあるんだと知ってしまった消費者が出てきたとき(必ずそうなる)どんな不動産会社を選ぶのか?それがこれから生き残る不動産会社の条件になるんでしょうね。


Posted by 金丸 : Comment(1) | 2007.3.22.

先日不動産データ&ジャーナル誌を見ていたら、「あーあ、やっぱりな」と思うデータが紹介されていました。
「不動産業戦略 2月号」
大京の今期中間決算数字(全取引に占めるネットの割合) 
マンション分譲 ネット成約率 約55%
仲介物件に占めるネット成約率 約30%
東急リバブル中間決算(全取引に占めるネットの割合)
売買仲介 ネット成約率 約12%  賃貸仲介 ネット成約率 約19% 
販売受託 約29% 
このデータから読み取れることは、リバブルさんがネットが苦手だとわかったことじゃなくて(笑)、大京では仲介より早く、分譲におけるネット成約率が高くなっていること。それと販売受託が、いよいよ本格的にネットから取れるようになってきたということです。
インターネットの特性を考えると、どうしてもそうなっちゃうはずなんです。
インターネット時代とは、①探して②調べて③比べることが「無料で簡単」に出来るようになった時代です。
探すことの代表がGoogleだったりYAHOOだったりするのですが、このステップでビジネスを行おうとする企業はお金をもらうのに苦労します。だって皆さん、誰かに何か探してもらった時にお金を払いますか?お礼は言うけどお金は払わないでしょう。そのためこれらの企業は、サービスを利用するお客様からではなく、広告から収益を得るようになります。
それでは探すだけでなく、調べるステップまで進めたビジネスモデルはどうでしょうか?これも実はお金を稼ぐのに苦労します。調べることは言い方を変えれば「データを見る」ことだったり「データを読む」ことです。
もう少し技術的に言えば、「データベースにアクセスする」ということになります。このデータベースは開放されたとたんに、お金が取れなくなります。
ではなぜ開放されてしまうかというと、データベースを作り上げることに、コストや手間がかかるため、自分で作らず一般から広く情報を集めるからです。一般から広く集めたデータを、運営会社が自社の収益のために使ったら、そりゃデータを提供した消費者は頭にきちゃうじゃあありませんか。(不動産業界だけは、お人よしの人が多くて、頭にこないようですけど・・・・・)
ウィキペディア(インターネット上の百科事典)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
ユーチューブ
https://www.youtube.com/
などがこれにあたります。
これらのコンテンツは、やはり広告に収益を頼ることになります。
一方、一般から広く情報を集めず、自社で莫大なコストをかけてデータベースを構築し、それをクローズの世界で提供すれば、お客様からお金をもらうことが出来ます。
一般にはあまり知られていませんが、たとえばお店を出店するときのマーケティングに使うデータベースがあります。
このデータベースはその地域と業種を入力すると、ライバルの数、年代別人口などが人目でわかるようになっていて、マーケティングを行う上で大変重宝がられています。そのデータは日々更新されていなければ価値がないので、苦労して現地調査を繰り返し更新され続けています。そのためにお金がもらえるんですね。自分でやったら相当大変だと、お客様がわかるからお金を払うんです。
東京カンテイの、マンションデータベースなんかもこれにあたります。
さて、それでは、探して、調べて、比べるステージまで進んだビジネスモデルはどうなるのでしょうか?
これが当社の提供している@dreamのコンセプトなのですが、比べられて選ばれることが出来れば、収益を得ることが出来ます。
「この不動産屋で契約したい」とお客様が思ってくれれば、当然手数料が入ることになるということなんですが、ここでひとつ気をつけなければならないことがあります。
それが、今回のデータに現れているのです。(前フリ長くてすいません)
家捜しをしている消費者は、インターネットで物件を探し、たくさんの物件を見ながら地域の相場がわかり(調べる)、だんだんと物件を絞り込んできます。そして結局買う物件は「ひとつ」だということです。
@dreamは共同仲介という不動産業界特有のルールが、インターネット時代にどう影響されていくのかを研究して、発展してきました。しかし、大京のようなマンションデベロッパーの物件を「選んだ」消費者は、直販であるためにこのルールから逸脱したところで行動してしまうのです。
つまり共同仲介というルールの中では、物件の情報を収集する「苦労」を「自社ホームページ」で公開することが「苦労して作り上げたデータベースを、クローズした環境で提供する」という、お金をもらえるビジネスモデルになりますし、その情報の「提供の仕方」が、「比べられる」ことによってやはり収益に結びつきます。結びついた収益を、さらに追客することによって、顧客化し紹介やリピーターの発生も促せます。
ですが最後に消費者が買うのは一軒です。その一軒が比べることが出来ない(直販)ときにはこのメリットが半減してしまうのです。
「お客様は物件を選んだあと、不動産会社を選ぶようになる。」がインターネット時代の完成形だということが前提の理論ですが、大京の物件を選んだ消費者は、不動産会社を選ぶことが出来なくなるので、物件を選んでもらえさえすれば、必ず契約に結びつけられます。
それが原因で大京の分譲におけるネット契約率が上昇しているのです。
しかし、仲介におけるネット契約率はまだそこまで行っていません。これは@dreamがないからでしょうか(笑)
一方リバブルの販売受託29%は、また別のインターネットの影響を現しています。
歴史を振り返ってみると、@dreamを発売した2001年当時、不動産業界におけるネットの影響といえば、賃貸仲介がネット化された時代だったといえます。
2003年には、賃貸仲介の中でも居住用だけでなく店舗・事務所も。2004年には売買仲介もネット化され始め、2005年にはHPだけでなくメールによる追客が効果を出し始めます。メールの効果が出てくると同時に、携帯でのHP、追客も効果を出し始め、2006年には紹介客やリピータを大量に発生させることになりました。
そんな中でひそかに進んでいるのが、家主さんオーナーさんのネット不動産への評価の高まりです。
2004年位から、東京の品川あたりの管理会社が「ネット対応していない仲介会社には10万以上の物件はもう流さない。」と言い始めていました。
「どうしてですか?」
「だって10万以上の物件に入る人で、インターネットで物件を探さないお客さんなんていないもの。ネット以外でくるお客さんは、ほとんど入居審査に通らない人なんだよ」
同じ頃、「うちの会社はホームページから専任を取ることが出来るようになったのが、@dreamを導入した最大のメリットだよ」という会社も現れています。
実はホームページを一番見るのは、家主さんだったり、同業者だったりするものです。我慢に我慢を重ねていた家主さんたちが、とうとうホームページを見ながら、販売依頼先を選別するようになったということです。
すでにリロケーションは完全にネット化されていますし、仕入れがネット化されるといよいよすべての業務のネット化が完成します。
さて現在リバブルさんはそのネームバリューが利いて、たくさんの依頼がいただけているようですが、仲介実績12%ですから(笑)。今にここから、街の不動産会社に依頼が流れてきます。
そのとき、完全に業界の価値観はインターネット基準となり、本当の勝負が始まるはずです。本当の勝負はたぶんまだ数年先です、しっかり今の業務を続け、そのときにみんなで勝ち組になりましょう。


Posted by 金丸 : Comment(6) | 2007.2.10.