今年も押し迫ってまいりました。当社も今週でほぼ業務は終了ですが、皆様も年末の忙しさの中で、なんとはなしセンチメンタルな気分でお仕事されていると思います。
私はといえば、今日は年末の仕事の整理がほとんどつき(机の上除く)、時間があるのでたまには雑感見たいなものを書いてみようと思います。しばらくお付き合いください。
昨年のリーマンショックのあと、世界中で急激な経済の縮小が起き、あのトヨタでさえ赤字になった中、日本では様々な経済対策が打たれました。
自民党政権時に3回もの補正予算を組んだのは、需給ギャップが40兆円もあり(需給ギャップ:日本で生み出すことができる商品やサービスの総額に比べて、需要が40兆円足りないということ)、その差を埋めようとしたマクロ経済対策ですが、これは民主党の補正を加えてもまだ15兆円くらい足りないらしく、残念ながら不景気を突破するカンフル剤にはならないようです。
となると民間が頑張って需給ギャップを埋めるしかないのですが、残念ながらそれも期待薄かもしれません。埼玉県では寄居町というところにホンダが新工場を作ることになっていましたが、工場の工事がかなり進んでいるにも関わらず、一旦中止となり稼動は2年ほど先送りになりました。地元の経済界(特に不動産業)は大変残念な思いをしたのですが、「こんな景気では仕方がない」と思っていました。
ところが昨日の日経新聞には「ホンダ中国武漢に新工場建設」とあるではありませんか。もう日本で工場を作る気概がなくなってしまったのでしょうか?
今日のニュースでは「トヨタ部品価格を3割下げる」と出ていました。トヨタの下請けさんは00年~06年までの6年間で総額1兆円のコストダウンを行ったばかりなのですが、大丈夫でしょうか?結局は「無理ですね」と中国やベトナムに発注する部品が多くなる気がします。
そして今に中国やベトナムから完成車を輸入。そんな時代が来るのかもしれませんね。ただこれももっと大きな目で見れば仕方がないことかも知れません。トヨタがハイブリットをやる理由ってわかりますか?それは元々下請けさんを守るためなんです。
ハイブリットカーというのは、ガソリンでも電池でも走れる車のことですが、基本的な車の構造はガソリン車と余り変わりません。ガソリン車に電池とモーターがついたようなものです。
一方電気自動車というのは、ガソリンを使いませんので、従来ガソリン車にあった構造のかなりな部分がいらなくなります。ボンネットの中には「電池」と「モーター」だけでいいのです。
こうなるとエンジンやトランスミッション、その他メカ部品を作っている下請け企業は堪りません。そんな企業を守る意味もあってハイブリット車なのです。
ところが過去の事件以来、業績が厳しく、販売店や下請け企業も頼りにしなくなった三菱自動車には守るものは有りませんから(ちょっと言いすぎです、すいません)、一気に電気自動車の量産化に成功しました。もうあと2年たつと、どこのメーカーからも電気自動車が量産されていることでしょう。いまだにトヨタはプラグインハイブリット(家庭で充電できるハイブリット車)の方が優れていると発表していますが、いつまでもそうしていると、次世代(たった2年後)本当に敗者になってしまうかも知れません。
さらにもっと怖いことが有ります。NHKスペシャルで放送されたのでご存知の方もいると思いますが、中国のBYDという自動車メーカーの躍進です。このメーカー元々バッテリーメーカーですから、ガソリン車なんて基本的に目に入れていません。次世代電気自動車時代に世界を取ろうとしているのです。中国は今年自動車の生産台数でも、販売台数でもアメリカを抜き世界一位となりました。その世界一の市場で、量産効果を教授しながら、勝負に出てくるのです。
ああ。暗くなってしまいます。日本の製造業は80年代から見ると、工場の数は半分以下になっているはずですが、そこにまたもや淘汰の嵐がやってくるのです。
だけど。
大体こんな状況なのに、みんなカッコつけすぎじゃないでしょうか?最近特にコンプライアンスとか言いますが、そりゃ犯罪はだめですし、パワハラもセクハラももちろんだめです。だけど、誰にも後ろ指、さされなければ生きていけるほど、我々の国は優秀な国ではなくなったのです。
がむしゃらに頑張りましょうよ。まずはそこからですよね。
インターネットが発達した世の中では、情報はただでたくさん取れるのが当たり前。だからこそ草の根の情報を持つものに価値があるのです。製造業であれば現場での経験値ですし、不動産業であれば地域の情報です。がむしゃらにデータベースを構築するべきです。
行き過ぎる弱者救済などに頼らず、自己責任能力を高めて人のせいにせず、世の中のせいにせず、頑張りましょうということです。
Posted by 金丸 : Comment(6) | 2009.12.22.
一昨日の15日東京の読売ホールで行われた第5回@dreamDAYにはたくさんのご参加をいただき、有難うございました。
北海道から九州まで全国から参加された皆様と供に、年末の忙しい時期にそれこそ朝まで。。。お付き合いいただきました。
会場では新しい発見や仲間を見つけた方もたくさんいたことでしょう。私もたくさんの刺激をいただきました。
恒例の@dream大賞は群馬県のクリエートハウジングさんが受賞いたしました。事例発表では涙ながらに聞いている人もいるほど、危機の中で信念を曲げずに業務に邁進している姿が感動を誘っていました。
また他の発表の中でもたくさんの新しい取り組みが紹介されていました。スタイルシートを駆使したHP。@dreamの機能を見事に(我々が想定していないほど)使いこなしている会社さんたち。
懇親会の席では高松の上原不動産事務所さんが、特別賞で表彰されました。75歳という高齢でありながらインターネットに取り組んでいる会社です。
「皆さんの行っていることが、我々の目指している方向と同じなのがうれしかったです。一生の思い出になります。」と75歳の先輩からいただいたメールに有りました。
私も75歳になったときでも、一生の思い出が作れるような人生を歩みたいと心から思います。えらそうに講演もしますが、皆さんに教えていただいているのは、いつも私なのです。
Posted by 金丸 : Comment(0) | 2009.12.17.
さて今年もいよいよ@dreamDAYがやってきました。
12月15日 昨年に続いて東京は有楽町の読売ホールで、今回も全国予選を勝ち抜いた6社が事例発表をしてくれます。
我々のシステムを使っている会社の中には、賃貸仲介、売買仲介、管理、開発会社、建設会社、リフォーム会社など、住宅に関わるほぼ全ての業種が存在し、且つ全国47都道府県全てで使われています。さらに言えばほとんど全てのFC加盟店がおりますし、規模も一人の会社から数百人もの社員のいる会社があります。
そんな多種多様な会社が、データベースという一つのツールによってつながっていることを実感できる年に一度のイベントが@dreamDAYです。
事例発表をされる会社だけでなく、エントリーされた会社の論文も多数会場で発表されますので、自社に役立つ仕組みや事例が必ずあるはずです。
忙しい中大変だと思いますが、本音を余すところなく聞ける機会は私の知ってる限り、不動産業界にはほとんどないはずです。
まだ若干ですが席が有りますので、是非ご参加ください。
(未導入の会社さんも参加できます)
ps:先日私の話を聞く為だけに、東北から埼玉まで新幹線でやってきて、終わったらトンボ帰りされた先輩経営者がおられましたが、やはり成功する人は勉強家だとうならされました。
(参加しない人にちょっと皮肉^^)
※お申込は以下のページよりどうぞ
https://year.dream2000.jp/apply.htm
Posted by 金丸 : Comment(0) | 2009.12.11.
今日の日経新聞にトヨタの記事が出ていました。
従来の車の業界の常識とは、業績のぶれ大きい日産。堅実に利益を上げるホンダ。そしていつでも両社のレベルより高いトヨタ。
これが昨年崩れました。トヨタは最も業績が落ちた企業になったというわけです。「知らず、知らずのうちに高コスト体質になってしまった」これがトヨタ首脳の見解です。
で、これからの戦略の中で「多極化」というテーマが語られています。世界の多極化を日本で一番早くから提言していたのはたぶん田中宇(たなかさかい)さんだと思いますが、田中さんが提言している内容はこうです。
世界を支配している勢力はたくさんあるが、第二次世界大戦後の世界を支配していたのは確かにアメリカではあるが、そのアメリカをうまく操っていたのがイギリスとイスラエル。
元々アメリカという国は、他国に干渉するのが好きな国ではなく、世界大戦にはそもそも参加したくなかった。(対日本の場合はパールハーバーが有りますから参加は当然ですが)
第二次世界大戦が終わったあと、実はアメリカは世界中がそれぞれ発展することを願っていたが、それでは産業革命以後の地位の低下が免れないと考えたイギリスが、冷戦(共産圏と民主主義の対立)をうまく演出して、アメリカを操ることによって、自国の利益と影響力を守ろうとした。
しかしこれに対抗する勢力(ロックフェラー等の経済フィクサー)は、世界中で経済発展するほうが商売がたくさんできるので、巻き返しを図ろうと画策するが、その都度冷戦派に巻き戻されていた。
そこで対抗勢力は「ネオコン」という極端に冷戦派の主張に沿った戦略を「やりすぎる」ことによって巻き返しを図り、今その戦略が成功し始めているということです。
一歩引いてここ数年の出来事を見ると、確かにそうでもあり世界規模の戦略に比べて、日本の政治が情けなくなりますが、この多極化戦略が静々と我々のビジネスにも影響を与えているようです。
たとえば商品販売の会社の戦略にしても、一昔前なら「いい商品」があれば売れましたし、その後は「いい販売戦略」があればやはり結果が出ました。いい販売戦略の時代はナレッジマネージメントやQCなど、売れる営業の行動を分析して、横展開することによって結果を出すことが出来ました。
しかし、全国を歩き、たくさんの営業さんや不動産会社に触れていると、確かに田中さんが言うように、トヨタが考えるように多極化が進み、今までの手法が通用しなくなっています。
それはつまりお客さんが、多極化したということです。もっと言えば消費者のレベルが上がり、個々の好みや趣向に添って商品を買ったり、サービスを受けるようになったということです。
こうなると画一的なマーケティングだけで、大きな成果を出すのは不可能です。個々の現場で個々の案件に対処する「現場」の力が不可欠になるということです。
トヨタは世界中の各国でそれぞれ違う作戦を立てることも良しとするようになるでしょう。この戦略が成功するかどうかは、日本の本社が現場の判断を信じられるか、そして結果を出す人間に任せているかに尽きるという事です。
もっとわかりやすく言えば、本社の人事と評価が全てだということです。これからの企業はどこもそうなるのではないでしょうか?
Posted by 金丸 : Comment(0) | 2009.11.19.
ひょんなことから今国分寺のワタミにいます。待ち合わせに誰も来ないのでこのブログを書いているわけです。
先週の日経新聞には「リース会社の売上前年度比25%ダウン」とか、神奈川県の建売業者が販売物件が即日完売など、悲喜こもごもな指標が紹介されていましたが、そんな記事を読むといつも思うことがあります。
「景気が悪くても元気な企業があり、景気が良くてもだめな企業もある。そしていつまでも調子の良い企業もなく、良い企業はいつか悪くなり、悪い企業もいつかは良くなる。」世の中はいつも諸行無常なのだということです。
経営者はいつも会社のことを考えています。会社の業績は自分の生活、人生、果ては命に関わるから当然なのですが、かといって頑張っている経営者がいつも成功するわけでも有りません。
かつて自分の心の中で叫んだ言葉があります。
「元気で頑張って働くバカな経営者ほど迷惑なことはない」これは自分に対して発した言葉ですが、今この厳しい景気の中ですべての経営者の皆さんが一度考えてみるべきかもしれません。
今会社があるのは、社長あなたの努力の賜物です。しかしその経験が、変化する時代に会社が対応するのを阻んでいませんか?よくよく見てみると社員が警笛を鳴らしていませんか?
ソニーがアップルに負けたのは、ウォークマンが成功していたからです。アップルが経営改革を成し遂げたのは、社内抗争で失脚したジョブスに経営をまかせたことでした。
賢者は歴史に学ぶといいますが、我々の教科書はどこにでも転がっているのです。
Posted by 金丸 : Comment(2) | 2009.11.18.