社長ブログ

鹿児島に行って来ました。初めての土地です。
これで鳥取と愛媛、徳島に行けば全国制覇です。
本当は鹿児島出張のあと用事があって、飛行機で大阪の伊丹に飛び、新大阪で一泊して奈良に入ることになっていたのですが、諸般の事情により急遽鹿児島で一杯やって、九州新幹線で博多まで移動して翌日奈良に入ることになりました。
初めて乗る九州新幹線です。(昔はよく熊本には来ていました。凸版印刷さんの工場に行くためでした。その頃は新幹線なんて聞きませんでしたから、ずいぶん変わったものです。)
さて9時15分鹿児島発、23時57分博多着の最終列車に乗ることになった私なのですが、宴会はもりあがり大急ぎでタクシーに乗り込んで駅に着きました。(ぎりぎりです)
「博多まで一枚。あっ喫煙車ね」
「はいわかりました。ところでお客様、この最終は社内販売が終了してありませんが、よろしいでしょうか?」
「そうですか、わかりました」
私はあわててホームまで走り、ぎりぎりセーフで乗り込むことが出来ました。お酒一本買うことが出来なかったのは残念でしたが仕方がありません。さあこれから2時間半の一人旅です。
社内はこんな感じです。(アットホームな雰囲気)
九州新幹線
席に着き、ふーと一息ついた私は胸のポケットからタバコを取りだし・・・・・・・・・
ええーーーータバコがありません。
タバコがないのです。
ないのは知っていながらバックの中も探してみましたが、やっぱりありません。
2時間半。お酒がなくても平気です。
2時間半。読むものがなくても平気です。
2時間半。誰もいなくても平気です。
でも、回りで平気でタバコをすっている車両で、タバコなしは無理です。
(どうしよう)
私は考えました。必死に考えた上の結論は、ホームにあるかも知れない自動販売機で、停車したほんの一瞬を利用してタバコを買うということです。
運よく300円ちょうどの小銭はありました。その小銭を手に持ち、駅に着くたびに必死に自販機を探します。しかしどこの駅にも、灰皿はあっても自販機はないのです。
残念です。本当に残念です。
そのとき私の頭がまたもやスパークしたのです。
(客席の灰皿にはタバコがあるはず)
もう誰が吸ったかわからない「しけもく」でもいいです。
そして探しました。
灰皿1
ありません。
灰皿2
やっぱりありません。
灰皿3
ないと思ってました。
灰皿4
九州新幹線の客室係は立派です・・・・
灰皿5
オーマイゴット!
残念です。残念です。
また駅に着きました。だめもとで300円を握り締めてまたドアーに向かいます。やっぱり自販機はありません。皮肉なことに灰皿は目の前にあります。そこでおいしそうにタバコをすっている若者が一人。
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「あのータバコを一本いただけないでしょうか?」
「へっ」
「タバコ・・・・・」
「ふっ」(事情を察したらしい)
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むかつく笑い顔です。そして。
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なんと最低な男でしょう。
さらに。
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今度会ったら生かしちゃおきません。
列車はドアを閉め。静かに走り出します。タバコを持たないヘビースモーカーを喫煙車両に乗せて・・・・・
(九州出張完。来週も行きますが)


Posted by 金丸 : Comment(3) | 2007.1.20.

お正月にテレビを見ていると、あっちの番組でもこっちの番組でも、お笑い芸人たちがたくさん登場していました。なんだかお正月の日本の風物詩になったように感じます。
実は私の趣味は「落語を聴くこと」で、新宿の末広亭、池袋演芸場、上野鈴本、浅草演芸ホールによく出没していました。(過去ね。今は忙しくていけません)
漫才は主に関西、落語は主に関東でお笑いの主流ですが、ちょっと話しが面白いとか、頭がいいとかで落語家や漫才師になれるわけではありません。落語家になるためには、まず師匠について内弟子となり、名前をもらって前座となります。前座になると寄席に出演することが出来、だんだんうまくなると二つ目という地位になります。
さらにうまくなると試験を受けて(昔は試験はなく、師匠の判断ひとつだった)真打となり、噺家(はなしか)とか落語家とか呼ばれるようになるのです。
師匠が弟子につける稽古には特徴があります。
師匠は弟子の前で手本としての話を3回します。それだけで弟子はすべて暗記しなければならないのです。今はテープや本などがありますが、昔はそんなものはありませんでした。その上、同じ話でも師匠によって下げは違う(最後のオチのこと)、下げが違うと手前の話も違ってくることが多く、3回聞いてすべて覚える能力がなければ落語家にはなれなかったのです。弟子は相当な集中力を持って話を聞かなければなりません。そしてその伝統は今でも守られています。
漫才も同じです。お互いに掛け合うねたを徹底的に稽古して、すべて頭にいれ(それもたくさんのねた)なければ、あんなに小気味良いテンポで漫才は出来ません。
時に。
お正月番組の中で、漫才師の方々がそれぞれのパートナーを取り替えて、たった3時間でねたを作り、あわせ漫才やコントを披露する番組がありました。あれって本当は、もっと前から準備しているんじゃないかって思った人いません?
でも、たぶんやらせではないと思います。
落語の世界でも同じようなやり方があり、「三題話」と呼ばれます。
寄席で噺家さんが客席に「お題を3つください」と言って、客席から言われた3つの言葉を使ってその場で話を作るというあれです。落語はその名の通り「落ちる話」ですので、3つの言葉を話しの中に入れるだけでなく、話をしながら頭の中で「オチ」を考えて、話の最後で落とさないと落語ではなくなってしまいます。これをお客様の目の前でやるのです。
こんな風に相当な集中力と記憶力が、若い頃から鍛えられているからこそ出来る芸が、落語であり漫才なのです。
いろいろな番組を作るテレビ局や制作会社からすれば、ちょっとした打ち合わせですぐに対応できる、集中力や記憶力が鍛えられた漫才師や落語家を使うのは、とても楽なんだと思うのです。
(面白いからだとか、はやっているからじゃなく、優秀だからたくさんの番組で使われるんだよなー)と思いながらテレビを見ていた正月でした。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.1.15.

ベタ記事でしか紹介されていないし、皆さん知らないと思うので、不動産業界にもしかしたら影響する海外の話題をひとつ紹介します。

”住宅価格の高騰する英国で52年ローンが登場”
住宅価格が全国的に高騰している英国では、ついに52年かけて返済を完了する住宅ローンがお目見えした。大手スーパーのテスコが提供しているローンで、そのほかHSBC銀行系のファースト・ダイレクトが47年、アライアンス&レスターが40年のローンを手がけている。英国では25年型ローンが主流だが、このところの不動産高騰で毎月の返済額がうなぎ登りとなっており、若い購買層を取り込むためにはローンの期間を延長するしかない。
住宅ブームはまだまだ続いており、この一年で全国の住宅価格は平均9%上昇した。とりわけロンドンでは一般庶民のは手が出ないほどの高価格。そのため、ローンを提供する側もあの手この手を使っている。
英国では通常、ローンを組むための上限は年収の3,5倍だが、アビーは5倍、モルガン・スタンレーは年収の7倍まで融資してくれる。借りるほうにとってはありがたいが、今後の金利上昇で返済が苦しくなるかもしれない、と専門家はアドバイスしている。

これって究極のバブル崩壊延長作戦ですね。それにしても52年とは・・・
たぶん18歳でローンを組めて、70歳までに返済してくださいってことなんでしょうね。日本では「親子ローン」というのがあって、確か100年みたいな企画も聞いたことがありますが、さあこれからどうなるんでしょうか?
ちなみに金融ビックバン(96年から)以来、日本の規制改革はほぼすべて「外資」の参入によって進んだことを付け加えておきます。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.1.12.

たびたびこのブログに登場する増上寺君や、WEBマスターの歯ブラシ君から、昨年から言われていたことがあります。
「今まで読んだ本の中で社長の“お勧め本”を紹介してください」
いやそれは意外と恥ずかしいもので、躊躇していましたがやってみようと思い立ちました。(他のことが思い立たないまま、パソコンの前に10分座っていたからとも言う)
それで「日はまた昇る」なのです。

410210013X 日はまた昇る
アーネスト ヘミングウェイ Ernest Hemingway 高見 浩
新潮社 2003-06

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尚この本がいい本であるかどうかは、私の文学的才能で評価なんか出来ません。ただ一番最初に紹介しようと思った理由はあります。それは一番繰り返し読んだ本であるということです。実はもう10回くらい読んでるんじゃないでしょうか。なぜ読むのかって?なぜだかわかりません。でも時々読むんです。
物語の内容はこうです。
主人公のジェイクはパリで新聞社の特派員として働いています。主な登場人物は友達の作家ロバート・コーンとその妻。貴族と結婚しながら奔放な生活を続けるブレッド。
まるで大人の遊びのような恋愛をしたり、馬鹿騒ぎをしたりする仲間を広げながら、何も結果が出ない日々を送っています。
ジェイクはかつて第一次世界大戦で重傷を負い、そのとき看病してくれた看護婦がブレッドです。
彼はブレッドに好意を抱いていて、ブレッドもジェイクが好きなのですが、ジェイクはその負傷のせいで性的に不能であり、二人の恋愛は決して形にならないとお互いにわかっています。
そんな仲間たちがスペインの闘牛を見に行き、魚釣りをしたり、踊ったり、酒を飲んだり、さらに自堕落な日々を送っていくという物語です。
ヘミングウェイという作家は、クールなリアリズムを短い文章で表現するのが特徴で、日本で言えば片岡義男のような、そこにある現象を忠実に表現することによって(思いなどほぼ取っ払って)、淡々と描写していく小説を多く残しました。
物語全体にはなんというか、憂鬱感というのでしょうか、閉塞感というのでしょうか?そんな空気が流れ続けているのですが、その内容は非常に激しいものがあります。
ブレッドはジェイクの好意も自分の気持ちもわかっているのに、年を取った貴族と結婚したり、ジェイクの友達と浮気をしたり、果ては好きになった闘牛士との橋渡しまでジェイクに頼みます。ジェイクはその次々と繰り出される残酷な仕打ちに、耐えるでもなく淡々と答えていきます。
そして、その恋が終わるとまたブレッドはジェイクのところに戻ってくるのです。まるで「あなたとは恋愛は出来ないけれど、あなたしか愛せない」
初めて読んだのは確か高校生でした。
ブレッドの残酷な仕打ちに胸が張り裂けそうでした。いや自分だったら殺してやりたいと思うほどでした。次に読んだのは大学生の頃で、私がものすごくへこんでいた頃でした。なんだかその自堕落な物語を読むことで安心したような変な気分になったのを覚えています。「俺も年を取ったな」みたいな気分だったような気がします。
しばらくたって30代になり、父親にもなって経験をつんでから初めて冷静に読むことが出来るようになりました。そしてそれから何かの節目に必ず読むようになったのです。なぜかって?心地よいのです。
最近日本では、バブル崩壊直後の1992年から不良債権処理のめどがつく2002年までの間に社会に出た、25歳から35歳までの世代を「ロストジェネレーション」と呼んでいますが、まさにヘミングウェイがアメリカの文壇に衝撃を与え、時代の寵児となり、その後の現代アメリカ文学の礎とも言われるようになったきっかけがこの小説であり、この小説のテーマこそがロストジェネレーションではないかと私は思います。
ロストジェネレーションを「失われた世代」などと訳したりしているのを見かけますが、なんだかちょっと違う表現だと思うのは、この小説のせいかもしれません。
日本では世界戦争といえば第二次世界大戦のことだと考えられていますが、ヨーロッパでは第一次世界大戦の方が、時代に対する影響が大きいという記事を読んだことがあります。
それまでのヨーロッパにおける、価値観を粉々にしたのが第一次世界大戦だったのです。ヨーロッパ域内での戦争は、それまでバランスを取っていた民族や国の関係を、ドラスチックな力の関係に変貌させます。最後はナチスのよるホロコーストにまで進んでいくのですが、そのきっかけはすべて第一次世界大戦に始まっています。
それまでの価値が崩壊した時代。新しい時代に合わせて、新しい人生プランを早く作りたい若者たち。だけども若者とはいえ、以前の時代に培った経験や引きずっているものがある。
「もうついていけないよ」と開き直るには若すぎる。
「俺たちの時代だ」と喜ぶには年を取っている。
そんな苦しい世代。それがヘミングウェイが表現したかった「ロストジェネレーション」なのではないでしょうか?
*ちなみにヘミングウェイの他の作品は一切読んでいません。私にとってのヘミングウェイは「日はまた昇る」のみなのです。「老人と海」などの名作の話をしたい人はもっと立派な人の所へ行ってください(笑)


Posted by 金丸 : Comment(3) | 2007.1.10.

インターネットが登場して、ちょうど10年たった去年が明けて一週間がたちました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
当社は昨日から業務を始めていますので、もうすっかり普通モードです。
年々お正月気分が薄れていく気がしますが、これは世の中の変化なのでしょうか?それとも私の変化なのでしょうか?そんなことを考えながらブログを書き始めました。
ところで今年のお正月は、ひょんなことから10年前と今年を比べて見る機会がありました。ちょっと冷静に考えてみると、あっちでもこっちでもそれはそれは大きな変化が起きています。(皆さんも身近なところで結構ですから、ちょっと冷静に考えてみてください)
それまでの10年単位の世の変化とは、まったく違うペースで変化が起こっていることがわかると思います。いまやパソコンなしの仕事や、インターネットなしの情報収集なんて考えられません。やっぱりIT革命は起こっているのです。
そんな題材を「WEBからの風」と称して、時々皆さんに紹介したいと思います。今日はその第一回目です。
今日のテーマは「不動産繁忙期の変化」です。
不動産繁忙期は一般的に1月~3月と呼ばれています。特に賃貸業界では、その間一日も休まず営業しているお店もたくさんあります。(売買は、もうちょっと長い)
不動産業界に本格的にネットビジネスが普及し始めた2001年から、その繁忙期は徐々に前倒しになってきています。当初は3月の半ばまで、と半月前倒しになりました。そのうち最高に忙しい月が2月にずれだします、さらに1月の初旬から問い合わせが入るようになりました。
その影響でしょうか、今年は例年にも増して1月5日頃から営業を始める会社が増えたように感じます。
そして12月にもたくさんの問い合わせがくるようになったのが昨年から今年にかけて起こった現象です。もう「師走の客には気をつけろ」なんて言っていたら、大きなビジネスチャンスを逃してしまうことでしょう。いまや12月30日まで案内予約を取る時代になったのです。(たとえ外観だけでも)
さてこの現象はなぜ起こっているのでしょうか?
ひとつにインターネットの特性を活かしたい消費者の気持ちがあります。インターネットとは、探して、調べて、比べるツールです。せっかく探して、調べて、比べても、繁忙期終盤になってしまったらもう選ぶことが出来ません。「これしかありませんよ」と不動産屋さんに言われても。本当なんだから「そうですか」と答えるしかなくなってしまうわけです。それでは何のために、インターネットで物件を探したのかわからなくなってしまいます。
(私は昔、イトーヨーカドーで背広を買っていました。最初の年は年末バーゲンセールに行って買ったものです。しかし買ったあとにテレビを見ていると、新春バーゲンセールをやっているじゃないですか。それももっと安く。来年は絶対年末じゃなくて、新春に行こうと決めた私は、翌年は新春バーゲンセールに行きました。するとなんということでしょう。1月の終わりになって今度は最終バーゲンセールをやるとテレビCMが・・・・それもさらにさらに安く。もちろん私は翌年、年末、新春を飛ばして最終バーゲンセールに行きました。しかし・・・・・まったく良いものがないのです。その翌年からはまた年末バーゲンセールに行くようになりました。)
そしてもうひとつ、インターネットの特性を敏感に感じた消費者の行動とは別に、インターネットが間接的に影響している社会現象があります。それは「四半期決算の開示」です。(3ヶ月ごとの業績を消費者に開示すること)
上場企業は決算情報を全国紙に広告することが商法で義務づけられていますが、ここ数年は中間期、決算期だけでなく、4半期決算を発表する会社が激増しています。新興市場であるマザースやジャスダックは、そもそも四半期決算の開示が上場の条件ですが、その他の一部上場企業の間でも、どんどん広がっているのです。これは東京証券取引所などが、一般株主に対して出来るだけ情報を提示するように指導しているからですが、その裏では企業HPによって、全国紙に比べて圧倒的に安い費用で開示することを可能にした、インターネットの力がなくてはなりませんでした。
さてここからが重要です。
四半期決算を行い、その情報を開示し始めた企業にはある変化が起きます。それが人事異動のタイミングの変化です。実は企業人事は決算のタイミングで行われることが多く、12月決算をもって行われる3月の人事異動や、3月決算をもって行われる6月の人事異動というのが、今までの定番でした。
ところが四半期決算を行うようになった企業は、四半期ごとに人事異動を行う体制を整えてしまったのです。その為年間一回だった人事異動の季節が2回になり、2回だったところはまるで時期を問わず(笑)人事異動が行われるようになりました。
この現象が、繁忙期の平準化をさらに進めているのです。
いまや繁忙期を支えているのは、学生、子供を持つ親、そして賃貸での退去による空室と新築物件のみとなっています。
そう考えるとこれからの不動産仲介は、繁忙期以外での契約をいかに取れるかにかかってくるのではないでしょうか。つまりいつも努力をしていなければならないということです。そういう仕組みや習慣を作る上げることが大切なんですね。


Posted by 金丸 : Comment(0) | 2007.1.6.