先日あるセンサーメーカーの社長様とお話していて、感動して考えさせられたことがあるのでご紹介いたします。
この会社は数十人規模と、それほど大きくはない(むしろ小さい)センサーメーカーなのですが、創業者の会長さん、社長さんだけでなく社員一同が地味だけれども世界で通用する製品を開発し、世界中で販売を行っている「山椒は小粒でぴりりとからい」会社です。
自分はこの会社の社長さんに、人材募集についてご教授いただくことが多いのですが、先日こんなことがあったそうです。
新卒の大学生を採用したいと考えた社長さんは、徹底的に新卒市場を研究し、新卒募集用のサイトの構築、メンテナンスなどを徹底的に行い(自分で)、非常に優秀な学生をたくさん集めることに成功しました。
今年のような15年ぶりとも言われる売り手市場のなかで、その集客数は快挙としかいえない数字でした。
しかし快挙は会社説明会での学生の集客にはとどまってはいなかったのです。
小さなセンサーメーカーに、有名大学(6大学以上)の優秀な学生が大挙して訪れたことを聞いたときは(やっぱりWEBサイトから社長の情熱が伝わるんだよなー)と思いました。
たくさんの学生が集まった説明会を経て、第一次選考が始まりました。今までにないような有名大学の優秀な学生を目の前にして、社長さんは本当にうれしかったそうです。
そんな学生の中にはなんと東京大学の宇宙工学の学生まで混じっていたのです。
「大学にいってロケットの開発などに実際にかかわってみたら、大手メーカーは心底いやになった、御社のような小さいけれど価値ある製品つくりをしてみたい。」
いやーいい話だな、いい学生だなと社長は思い、学生の話を聞いていたら・・・・・
突然創業者である会長が、烈火のごとく怒ったそうなんです。
「君は何を考えているんだ。東京大学といえば税金を散々投入して、たくさんの研究をしたり、優秀な教授を集めたりして、日本を背負う人材を育てるところだ。その東大で学びながら、自分の相性や好みで仕事を選ぶなんてけしからん。君はもっと日本のためになる仕事をする責任がある。こんな小さなセンサーメーカーになんて就職するより、もっとでかい会社に入って日本中に恩返ししろ」
そういってその学生を追い返してしまったそうです。
自分がこの学生に会ったとき、こんな言葉が口をついて出てくるだろうか?
ましてややっとのことで集めた学生、望むべきもない学歴・・・・・
自分はまだまだだな・・・・・・つくづくそう思いました。
経営理念などでうたう社会貢献という言葉も、この会長さんくらいの社会に対するスケールと考え方がなければ口にする資格はないのではないだろうか?
そんな風にも思わされました。
Posted by 金丸 : Comment(6) | 2006.6.16.
Posted by 増上寺 : Comment(1) | 2006.6.14.
またしても増上寺です。
先月行われた業者講習会の折にとあるユーザー様がおっしゃっておりました。
「仕事だと思えば、ブログも毎日更新しますよ」
「じゃぁ、『明日から仕事しなくて良いからブログも更新しなくて良いよ』って言われたら、もうブログ止めちゃいますか?」
「う…止められないかも…。楽しみになってるかもなぁ」
ユーザー様に日記などをお勧めする時には「必ず毎日更新しなくちゃだめですよ!」などとは言いません。最低限の更新率を決めてそれだけは必ず守って1年続ければ、子供のころから三日坊主ばかりだった日記も習慣になり「更新しなくちゃ」などという義務感も薄れ楽しみになってきたりもします。
日記に一番大事なのは「継続すること」なのです。気楽に継続できるようになれば、それは苦もなく続けて行ける様になるのでしょう。
「ところで社長」
「はい」(ちょっと上目遣い)
「既にお気づきかと思いますが、ブログの更新がパタッと止まっております」
「はい」(やっぱりかという顔)
「力作じゃなくて良いのです。小ネタでも結構です」
「はい。がんばります」(すごすごと退場)
そんなやり取りは10日前のことでした。
無論、お忙しい社長に毎日のように「ブログ書いてーブログ書いてー」などという催促を口に出すことなんて出来ません。叫びますが。心の中で。「記事はささっと書けちゃうんだけどね、書き終わると全身の力が抜けちゃうんだよね」ともおっしゃっていた社長に、「書いてー書いてー」なんてかわいそうで言えません。やっぱり心の中で叫ぶのが精一杯です。
ですが、やはり一度はじめたブログ、きっちり頑張っていただきたい。(切に)
そこで、社長がブログを更新する励みになるようなことを考えてみました。
<小声>Tさん、お願いがあるんですが</小声>
「え、なになに」
<小声>社長が帰り際にここを通りかかったら、言ってほしいんです。
「ブログの更新楽しみに待ってるんですが」って</小声>
「ええー」
<小声>お願い!</小声>
「言ってみたよ」
「マジっすか。ありがとー」
「『増上寺君に言えって言われたんでしょ』って言われた」
小細工はあっさりばれました。
Posted by 増上寺 : Comment(8) | 2006.6.9.
先日、縁あってイエステーションの藤本社長と会食させていただきました。
イエステーションとはあの鳥海君がいる不動産FC本部です。
藤本社長とのお話は、ある一点について意見の相違がありましたが(黙れ!黙れ!黙れ!といわれました^^)大変勉強させていただき感謝しております。
藤本社長の輝かしい経歴は、自分なんぞが紹介させていただくのもおこがましいので、皆さん自分で調べていただきたいのですが(イエステーション)、
不動産FCを立ち上げ実際に本部で運用している藤本さんとの話の中で、かねてから疑問だった事柄にひとつの方向が(自分はばかなので、ちょっとだけ)見えたのでここで紹介したいと思います。
そもそもFCの価値とは、商売のノウハウとブランドに尽きると自分は考えています。
商売のノウハウとは、たとえばコンビニエンスストアをやりたいと考えた地主さんが、商売を行う上での「仕入れ」「値付け」「経理処理」「商品知識」「人材募集」「人材活用」「社員教育」「マーケティング(売れ筋)」「投資(多店舗展開)」などを、FC本部に指導してもらうことでリスクをヘッジし、収益が上がるまでの期間を短縮するためのものです。
ブランドとは、どこの誰か知らない人がやっているお店に比べて、たとえばセブンイレブンなら、あんな商品があるに違いない、おいしい弁当があるに違いない、古い商品なぞないに違いないという安心感を消費者に与えます。
それらの対価として、加盟店は高額な加盟料を支払い、さらに高額なロイヤリティーを支払い続けます。(ノウハウとブランドの対価としてね)
本部が儲けているのは知ってはいるが、ノウハウとブランドの価値を考えたらそれはそれで仕方がないと、ある意味納得してロイヤリティーを払い続けているのです。
不動産業界の場合も少々形は違いますが、根本の価値は同じだと考えています。
不動産会社の社長が高額な加盟料と、ロイヤリティーを支払い続けるわけは、ノウハウの対価として「いろんな加盟店での成功事例を吸収したい」だったり、「俺が言っても聞かないから外部の人間にしっかり教育してもらおう」だったり、中には「社員教育なんて面倒だから外部に頼もうと」鼻から経営を投げ出す(^^)ようなスタンスで利用される方もおられます。
もっともFC本部もそのことはよくわかっていますから、スパーバイザーを用意して店舗めぐりをして、実態をリサーチし、セミナーや勉強会を開いて成功へ導くための努力をしています。
ブランドの対価としては、テレビCMを打ったり、いろんなメディアへの露出を増やすことで、街の不動産会社では与えられない安心感を与えることに成功しているように見えます。
しかしです・・・・・・
コンビニのノウハウの中でも最大のものは、売れ筋商品をいつも店頭に並べるPOSシステムに代表されるマーケティングの仕組みです。この情報は日々変わっていきます。変化する全国の情報をリサーチすることによって、正確なマーケティングができるからこそ本部のシステムが必要で、且つ価値があります。
その点不動産会社の営業に関するノウハウは、日々変わるほど浮ついたものではありません。【ただし、簡単に実践できることでもありませんから、継続して行うために本部の「目」が必要なのかも知れません。】
日々変わらない、オーソドックスなノウハウは、何度か聞けば情報としては獲得できます。ましてやインターネットが普及して、どんな場所にいたって情報は獲得できる時代です。あっちこっちのセミナーを聞いている社長さんにとっては、(どこかで聞いたことのある話だな)なんて感じることも少なくないでしょう。
そんなわけで、FCに加盟している会社の社長さんがロイヤリティーを払い続ける理由は、ブランド力を買うことに重点が置かれているように思えて仕方がありません。
しかし、実際にそのブランド力とは、「有名」であることでしかないような気がして、これもまた仕方がないのです
「我々のFC加盟店は、他の不動産会社には絶対まねのできないこれこれこんなサービスがあります」みたいなアピールを、大手FCのプロモーションで聞いたことがありません。
せいぜい「仲介手数料半額」だとか、「マイレージがつきますよ」だとかです。
これなら一般の不動産会社だってやろうと思えばできることでしょう。
結局「有名」であるブランドの力が一番売りに見えてします。
それなのに一番価値のある「有名」というブランドを構築するための最大のコスト。テレビCMを打つときには、加盟店から広告費を取る・・・・・・・・・・
これがおかしいんではないかといつも思っていたんです。だってテレビCMが打たれて一番うれしいのは間違いなくFC本部でしょう。みんなのためというところもあるとは思いますが、もっともメリットがあるのは本部であるのは間違いないところです。
脱退した加盟店にとっては、ロイヤリティーとは別に自分で負担した広告費によって、しっかり利益を確保しながらブランド力が向上している本部。。。。。。
(結局いつでも儲かるのは胴元なんだよな。)みたいに思うんじゃないでしょうか?
そんなことをいつも思っていたので、イエステーションの藤本社長の話は私には新鮮でした。
このFCなんと月数万円の費用だけで、ホームページを作ってあげたり、ポータルを運営したり、物件サイトに加盟店が物件をアップするのも、本部持ちなんだそうです。
初めて会う「潔い(いさぎよい)FC」
胴元ではないFCがあったことにとてもうれしく、そして藤本社長に頭がさがりました。
ただ、おかげで儲けは少ないそうです^^)・・・・・・・・それも経済、がんばれイエステーション。
Posted by 金丸 : Comment(13) | 2006.5.18.
我が社の商品「@ドリーム2000」はおかげさまで販売本数が1000を超え、ホームページの製作数と共に、不動産業界ではNO1のシステムとして認知されてきました。
今では北海道から沖縄まで44都道府県で導入、運用している不動産会社があり、名実共に全国区となりましたが、そこにはもちろん訳があります。
それは全国の導入ユーザーが発信する情報を捕まえて、それをシステム開発に生かしていることと、各地の成功した不動産会社のノウハウを導入会社同士が共有していることです。
「よく自社のやり方を他社の前で話してくれますね」と聞かれますが、ノウハウを公開してくれる会社自身が他の会社のノウハウを参考にしていたり、自分の本からノウハウを獲得したりして成功している会社も多く、ある意味感謝の気持ちを持って公開してくれているのだと思います。
また、情報とは発信することによって獲得できるというのはよく知られていることですし、そのことを理解しているからこそかも知れません。
ある時自分の書いた本「街の不動産屋さん”待ち”の経営から抜け出す」について、この本の販売を行った出版社さんからこんな話を聞きました。
「本屋さんに不動産会社の読むコーナーがないんです」
不動産は地域によって商習慣が大きく違います。
東京の取引、大阪の取引、九州の取引・・・・・・
それぞれがみんな違うから、他の地域でうまく行っている。「こうすればいいよ」という話を聞いたとしても、あんまり役に立たないのです。
それがノウハウ本みたいなものがなかった原因だそうです。
東京とか大阪とか福岡だけで通用する本なんて、
どこの出版社も作らないですから。
ところが、商習慣が違ってもそれは、消費者にとっては本来関係ないことです。
消費者は仕方がないので「そうなんですか」とその地域にあわせて契約をしていましたが、
敷金関連の裁判の判例などを見ても、徐々に全国の取引が統一されてきているように感じています。
これもインターネットの影響なのでしょう。
つまり消費者の側にたった途端に、別に地域ごとに違いはないのです。
駅近、新築などは全国どこでも人気があリますし、
一部の不動産会社は全国どこでもお客さんともめています^^)
インターネットの普及によって九州の会社のノウハウが、北海道の会社で役に立つようになったのです。
これってすごい変化だと思いませんか?
反面知らないことによるデメリットは返って大きくなっているかもしれません。これがデジタルデバイト(パソコンやインターネットを使えるものと使えないものにおきる情報格差)の次に来る、ネットワークデバイト(金丸の造語)だと思います。
つまり自分の持つネットワークの良し悪しによって情報の格差がおきる。
だってうまく行ってる人の話を聞かなきゃ、本質はわからないでしょう。
そんな時代だからこそ、実際にインターネット不動産を行っている全国の不動産会社のノウハウを紹介するイベントを、キヤノンシステムアンドサポートと共に5月23日に品川で行うことになりました。
たぶん(統計はないけど)現在の日本における、インターネットと不動産業をテーマにした最大のイベントになると思います。
昨年のこの会の実績は、参加人数200数十名。
懇親会参加者150名と、座れないほど盛況でした。
今回は大きな会場に変更して300名の席を確保していますので、
皆さんふるってご参加ください。(懇親会も行います)
インターネット不動産の本質を垣間見てください。
《 2006 インターネット不動産 業者交流会 》
【日時】2006年5月23日(火) 10:00~
【会場】コクヨホール
〒108-8710 東京都港区港南1-8-35(品川駅・徒歩2分)
満員御礼
業者交流会のお申し込みは締め切りました。
<!–
–>
Posted by 金丸 : Comment(6) | 2006.5.12.